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May 13, 2008
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カテゴリ:伊庭求馬孤影剣
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「諏訪の海、角間の川と交わりて、中洲に浮かぶ、中秋の月、か。中州も

既になく、中秋の名月も刻限とともに位置を変えるか」

 求馬が諏訪湖を見つめ低い声で呟いた。  「旦那、お手上げですな」

「お主の申すとおりじゃ、最早、信玄の隠し金塊は見つからぬ。絵図の真贋も

判定は不可能となった、悪いが茶臼屋の与兵衛殿に絵図を渡してきてはくれぬ

か。わしとお蘭はここで待っておる」 「判りやした、一走りしてめえりやす」

  猪の吉が残念そうな顔で懐剣を懐にいれて駆け去った。

 求馬が切り株に腰をおろしお蘭を見つめた。  「一杯飲みたいものじゃ」

「はいな、そう思って瓢を用意してきましたよ」

 お蘭が色っぽい顔を綻ばし、柳行李から瓢を取り出し求馬に手渡した。

 求馬がゆっくりと瓢の酒を味わっている、風にあおられ小鬢(こびん)が揺れて

いる。何となく淋しそうな横顔だとお蘭には見えた。

「仕方がありませんよ、旦那の所為ではありませんから」

 湖水から涼しい風が二人の躯を吹き抜け、お蘭が傍らにそっと腰をおろした。

「ご一緒できて楽しかった」  お蘭が、そっと求馬の手を握り締めた。

 瞬間、求馬の双眸が強まった。  「旦那っ」  「動くでない」

 微かに熊笹を掻き分ける音が聞こえる。それにつれ殺気が盛り上がった。

「お蘭、最後の闘いとなったようじゃ」  低く声をかけ痩躯を立ちあげた。

「そこで止まるのじゃ、近づけば斬ることになる」  乾いた声を浴びせた。

 小道の傍らに苔むした小さな地蔵が祀られている、その辺りから人の気配が

する。求馬が素早く村正の鯉口を切った。

「水野忠邦の用人、加地三右衛門ならびに金で雇われた亡者共、姿をみせえ」

 冴えた声が潅木の中に吸い込まれた。

「だっー」  声に誘われ近くの大木の翳から、凄まじい懸け声があがり刃が

襲っきた。並の腕ではない凄い一颯であったが、求馬が身を躱した。

 目前を猛烈な勢いで駆けぬけた浪人の首筋に、村正の切っ先が伸びた。

 首の皮一枚を残し、血煙とともに熊笹の中に勢いよく転がった。

「己れ」  四方から声があがり九名の浪人が姿を現し、求馬の痩身を包囲し

た。足音に驚いたのか、繁みから水鳥が一斉に羽音をたて翔び去った。

 求馬が獲物を狙う鷹のような冷たい双眸を光らせ、痩身を包囲網の中に

おいて佇んでいる。見渡せば対手は何れも面擦の跡をみせる凄腕と判る。

「道場剣法で人が斬れるか」  求馬が揶揄う余裕で声をかけた。

 じりっと包囲網が右手方向に移動を始めた。

 求馬が黒羽二重の裾を翻し痩身を宙に跳ね上げ、正面の浪人に襲いかかっ

た。それは猛禽のような俊敏な動きであった、頭蓋を絶ち斬り包囲網から脱出

した。ざざっと熊笹を鳴らし、残りの浪人が一斉に上段に構えなおした。

それは生を捨て去った捨て身の構えである、「びゅっー」と村正が風斬り音を

たて素振われ血糊を吹き飛ばした。右手の浪人が雄叫びをあげ身を躍らせた。

 上段からの攻撃を村正二尺四寸(七十三センチ)が、対手の大刀を跳ね上げ

た。鋼の音が響き、焼刃の臭いが漂う中、対手の大刀が半ばから折れ空中に

跳ね飛んだ、見逃さず村正の切っ先が、対手の右脇腹から左首筋に抜けた。

「ぐっ」  凄惨な形相をみせ対手が地響きをたてた。

 その迅速な業をみた七名が、二、三歩後退した、包囲網が破れたのだ。

「加地三右衛門、姿を見せえ。そちの主人水野忠邦は先般、登城禁止となり

蟄居の身となった」

「莫迦な」  紺色の袴姿に棒縞の羽織をまとった、加地三右衛門が細い眼を

光らせ杉の大木の翳から現れた。

「我が殿が蟄居とな、そのような事態があろうか」

「影の軍団であった六紋銭を失い、幕閣への押さえをなくした。その六紋銭は

全てそれがしが殲滅いたした」  「うぬっ、斬れえ」

 加地の下知で二人の浪人が猛然と大刀を振るって攻撃をしかけた。

 村正と対手の大刀が絡まり、えたりと一人が求馬の右肩を袈裟に襲った。

 すん余で身を捻り、刃がすれすれに求馬の躯をかすめ奔り抜けた。

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Last updated  May 13, 2008 12:17:41 PM
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