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テーマ:鉄道(22811)
カテゴリ:鉄道
そんな古いモーターのついた車両ですから、国鉄ではJRに移行するまでにほぼ姿を消し(電気機関車など一部は現在でも運転されていますが)、大手私鉄においてもそのほとんどが姿を消しました。でも、中小私鉄の場合は今でも活躍している会社があって、えちぜん鉄道もそんな会社の一つです。 前置きが長くなりましたが、えちぜん鉄道にはMC2101型という形式で2両編成の4本が現存しています。写真をみていただくと関西の方ならわかりますが、車体は阪神電車なんですね。すなわち、阪神電鉄では5231形と呼ばれた車両と足回り(モーターや台車など)は南海電鉄の1201形を組み合わせたものなのです。南海1201形というと、晩年は南海貴志川線(現・わかやま電鐵)で活躍していた南海を代表する名車だったんですが、このMC2101型の轟音は南海1201形の音ということになります。 元々は両運転台の車両だったようですが、連結部分にある運転台は使われていませんでした。阪神電車当時は片運転台でしたので、もう片方に増設したんですね。 車内に入っても、現在の阪神電車とさほど変わりません。せいぜい扉の数(阪神は3扉、この車両は1つの扉をつぶして2扉化されている)とシートや壁の色が変更されている程度で、私にとっては一時期阪神沿線に住んでいたこともあって、あまり違和感はありません。 でも、ひとたび走り出すとその思いは一変します。阪神電車なら「ジェットカー」の異名をとるように急加速していくはずなのに、「ゴォー~・~・~」という鈍重な轟音を響かせながらのんびりと加速していくわけですから。 私にとっては前出のジェットカーのようなスマートで急加速の車両ではなく、何ともトロくて轟音を響かせながら走るこの吊り掛けモーターの車両が大好きで、それは同じ職場の先輩職員も同じ意見でした。 私は小さい頃に国鉄阪和線でよく乗った車両を思い出しつつ、短時間ですがその鈍重な轟音を楽しみました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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