テーマ:天然石のある生活(460)
カテゴリ:マダガスカル産
先日は、ストロベリー・クォーツ(チェリー・クォーツ)を話題にしたので、
今日はその親戚ともいうべき、ファイヤ・クォーツをご紹介します。 ご存じのように赤い水晶は、 アメシストやスモーキーのように水晶を形成する二酸化珪素の一部が他のものに置き換わって色づいて見えているのではなく、 ヘマタイト(赤鉄鉱)やゲーサイト(針鉄鉱)、レピドクロサイト(鱗鉄鉱)などの酸化鉄がインクルージョンされて赤く染まっています。 このような水晶を大きくはストロベリークォーツと呼ぶそうですが、 一般的にはヘマタイトによって赤くなっているものを「赤水晶」、 (同じヘマタイトでも表面を覆ってオレンジ色に見えるものはオレンジ水晶、ララジンニャ水晶) ゲーサイト(針鉄鉱)がインクルージョンされてピンク色~赤に色付いて見える水晶をストロベリー・クォーツ(チェリークォーツ)、 レピドクロサイト(鱗鉄鉱)がまとまってインクルージョンされているものをファイヤー・クォーツ(ハーレクイン・クォーツ)と言うことが多いようです。 ただ、これらははっきりとした分類ではありません。 そのため、レピドクロサイト(鱗鉄鉱)入り水晶が チェリー(ストロベリー)・クォーツの名前で売られていたりします。 ヘマタイトもゲーサイト(針鉄鉱)もレピドクロサイト(鱗鉄鉱)も 酸化鉄の一種なので、同じと言えば同じなのですが、 個人的にはゲーサイトが入っているものを、ストロベリー・クォーツ(チェリー・クォーツ)、 レピドクロサイト入りのはファイヤー・クォーツと区別したいです。 その理由は写真を見比べていただければ一目瞭然。 まずは、ストロベリー・クォーツ。 続いてマダガスカル産のレピドクロサイト(鱗鉄鉱)入り。 ここまでゲーサイト(針鉄鉱)、レピドクロサイト(鱗鉄鉱)と、 しつこく和名併記で書いてきましたが、 まさに名前の通り。ゲーサイトが細い筋状であるのに対し、 レピドクロサイトは破片……鱗状です。 そのため、レピドクロサイト入りはストロベリーとかチェリーというかわいらしい名前で呼ぶには ゴツいと思いませんか? アップにすれば(画像右)、まさに炎が舞うようなワイルドさ。 マダガスカル産のこの手の石は磨かれていることが多く、 これは珍しく非研磨だったのがうれしい一品です。 さて、ここからちょっと余談ですが、 ゲーサイト、レピドクロサイト入り水晶の産地として思い浮かぶのが、 ブラジル、マダガスカル、カザフスタン。 ナミビアのブランドバーグ水晶にも含まれていることがあります。 インド、南アフリカ、ロシアなども見たことがあったような気がします。 さて……これらの産地をざっと見ると、 地球の奥深く殻のマグマ由来のホット系の産地であるように思われるのですが……。 ヘマタイト入りとゲーサイトやレピドクロサイト入りでは、 水晶が成長した環境に違いがあったのではないか……。 そんな気がするのですが、どうでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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