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2007/06/26
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カテゴリ:マダガスカル産
きいろ

一日中曇りで、どんより色味のない一日だったので、
気分を変えてこんな石。

マダガスカル産の水晶です。
大きさは4.5×3×3センチくらい、
一般的なタンブルより二回りくらい大きい、ころんとした形です。

色は、ごらんの通りのほんわりイエロー。
しかしながら、シトリンではありません。
ベースは透明水晶です。
水晶にクラック(ひび)が入り、そこにおそらく鉄分であろうと思われる
(ヘマタイトと説明されていました)成分が染みこみ、
そのために全体がふんわり黄色に見えています。

ブラジル産の水晶で、表面を薄く鉄分がコーティングしているために
黄色~オレンジに見える「タンジェリン・クォーツ」がありますが、
これは、中に染みこみバージョンというわけです。

結晶ではなく、塊状の石英だたっためにこのように磨かれているのでしょうが、
なんだか、ぷるるんとしたみずみずしい雰囲気です。
梅雨時期のどんよりした天気には、ちょっと嬉しい華やかさ。

さて、今回の石にかこつけて、考えてみたいことがあります。
ネットでいろいろなサイトやショップを徘徊していると、
「水晶を染めてあります」というような説明を見かけることがあります。

気を付けていないと、ふーん、染めてあるんだ……と
それで終わってしまいますが、ちょっと待ってください。
この説明は、時に危ないことがあります。

「水晶を染めてあります」
これがお店の説明だった場合。
「加工してあります」と、自己申告してくれる、良心的なお店……
……とばかりは言えません。
なぜならば、この言い方は、「加工してあるけれど、ベースは天然水晶です」
というイメージを植え付けている場合があるからです。

水晶を染める。

では、どうやって染めるのか、ということを考えてみなければなりません。
水晶の仲間であるカルセドニーやアゲートは、
ミクロサイズの石英の結晶が固まった、つぶつぶ構造の石。
つまり、ミクロサイズの隙間がたくさんある石なので、
染料が染みこみやすく、簡単に染められます。

しかし、水晶には、そのような隙間はありません。
奇抜な色に染められている瑪瑙のスライスも、
途中に結晶している水晶の部分が合った場合、
結晶の隙間に色が入っていても、結晶そのものは染まっていませんよね。

水晶に染料をきれいに染みこませるのは、できません。
水晶を一度熱して染料の中に漬けて急冷し、
急冷することでひびをいれて、そこに染料をしみ込ませる技法があるそうですが、
これは、要するに今回の写真の場合と同じで、
「中に何か入っている」「ひびに染みこんでいる」のがバレバレです。
この方法では、全体的に透明な色を付けることはできないのです。

表面に色を塗ってみてはどうでしょう。
これは水の染みこまないガラスに色を塗るのと同じで、
なんとか色が付けられたとしても、こすったり濡れたりしたら色落ち必至。
やるだけ無駄な、ばかげた方法です。

「水晶を染めてあります」と説明されたその石が、
染めてあることが一目でわかるものではなく、
透明で全体的に色づいているものだとしたら。

まず考えられるのは、水晶に放射線や加熱による加工を施したもの。
アメジストを加熱して黄色くする、
透明な水晶に放射線を照射して、スモーキーやモリオンに加工するのは有名です。
しかし、これは「着色」とは言うかもしれないですが、
「染色」「染める」とはちょっといえないような。

もうひとつは、溶かして色を入れて固めたもの。
つまりは練り水晶と言われているものと同じです。
残念ながら溶かした時点で結晶ではなくなり、
水晶(石英)ではなくてガラスとなります。
これでは「水晶を染めた」とは言えません。

ひどい場合には、原料が水晶ですらないガラスと
いうこともあるかもしれません。

クリスタル・ガラスというのがありますが、
これはガラスに鉛を混ぜてきらめきや透明感を増したもの。
名前がクリスタルであるからと言って、水晶が原料ではありません。

中国産で、天然の水晶の上に緑や紫、黄色の層を人工的に結晶させたものがあります。

これは……原石状態のものばかりなので、
ビーズなどの加工品では、可能性は低いでしょう。
この場合は、ベースが天然の水晶なので、「天然緑水晶」の表示は間違いではありませんが、
「天然の緑」ではありません。

残るひとつは、人工的に結晶させた水晶です。
「人工水晶」と言ってしまうと練り水晶を含んでしまう場合があるので、
合成水晶と呼ぶ場合もあるようです。
この合成水晶では、シベリアンブルーやシベリアングリーンと呼ばれる
透明感のある青や緑、赤、黄色、など各色があります。
アメジストやローズクォーツにも人工的に結晶させたものがあります。
しかし、これも「染めた」とは言えないでしょう。

さて、水晶を染めたって、いったいどうやって。
お店でそんな説明をきいたら、ぜひともツッコミを入れてください。
ここに書いていない新たな技法があれば、ご一報を!





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Last updated  2007/06/26 06:14:24 PM
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