安楽死を決断するまで…
Facebookをされていない方も多いと思いますので、Facebookにて記録し続けたものを編集しながら掲載させて頂きました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~5/22皮膚ガンの「うらら」は、進行の早い皮膚ガンでした。日に日に溶けていく皮膚・・。気安めなのかどうなのか分からないけど、毎日痛み止めの注射。「うらら」が食べれなくなったときが、決断の時だと覚悟してましたが・・・とうとうその日がやってきました。うららは、もう何も食べれません。でも・・・うららから感じるのは、「生きたい!」「生きてるんだよ!」スタッフが点滴しながら、ただ、見守るしか出来ない。それがうららの望みならと。息苦しいときは、口呼吸しながら必死で生きている。右眼球の奥に腫瘍も出てきた。進行があまりに早すぎる。手で触らないようエリザベスカラーを考えたけど、うららが不便さを感じないよう自然な環境で、私達で管理していこうと決めました。出血しないよう、傷めないよう、消毒や拭くのは難しい。皮膚がないから、少しの刺激ですごい出血するから。私達が出来る事は、うららが少しでも、快適に過ごせるよう獣医師さんの手を借りる事。うららの呼吸が楽になるよう、酸素室の購入も考えてますが、酸素室に入る事が、うららの望みなのか、分からないのです。誰かと添い寝することが、うららの幸せだから・・。うららには、もう時間がありません。私が何気に過ごしてる1日、いいえ、1時間、1分・・この当たり前な時間の流れは、うららにとっては、当たり前ではありません。1分1秒、必死に生きようとしてる時間なんです。うららは、生き延びる事ができません。目の前には「死」しか残されていません。ですが、最期の瞬間まで、うららを尊重していきたいと思っていました。この写真を撮った翌日、私は東京出張の予定を入れていましたが、出張前日、副代表に告げました。出張をキャンセルしたいと…「うららを置いて行く出張の意味はどこにあるんやろか?目の前の命をないがしろにしてまで行く事が正しい選択だとは思えないから」「それは由美さんの判断に任せる」副代表は、その言葉の後、一呼吸おいて私を叱りました。「・・・ねぇ、ゆみさん!動物愛護法の改正どうなるんだろうね?由美さんは宮崎を代表して宮崎県の声を届けに、国の声を聞きに行くんじゃなかったと?法改正の署名、宮崎で2,650名集めたよね?2.650人の声は?願いは?目の前の命、うららは確かに大事!でも、そのために私らがいるんじゃない?私達の事を信用してないと?あなたは、2,650人の想いを背負って行け!『今』は私達が守る!『未来』は由美さんが守れ!」・・・私は、うららを置いて東京出張を選びました。(この件に関しては後日記事にて)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~5/23最終便で宮崎に、保護家に戻ってきました。猫ホスピスルームに入ったとたん、うららが「おかえり」と言ってくれてるかのように、何度も何度も鳴いて・・声を出すのもかなり負担かかるだろうに( ; ; )ありがとうね。フラフラしながら、ひざの上に乗って来てくれました。更に目の中が溶け始めてた・・腐臭も強くなってきた・・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~5/23眼球の奥にある腫瘍が破裂しました。もう目を開く事すら出来ません。嗅覚、視力、失ったうらら。耳は聞こえてる。しっかり聞こえてる。声にならない声で、話しかけてくる。「楽になりたい」「もう終わりたい」うららから聞きたい。うららから感じたい。痛みから解放させたい。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~5/24うららからは、最後まで「楽になりたい」「終わらせたい」という感情は伝わってきませんでした。「人間の価値観を犬猫にあてはめない」「その子が何を求めているか、大事なのは尊重を尊厳する事」その信念で、老犬ホスピス、猫ホスピスをつくりました。その信念で、これまで沢山の子達を介護と看取りしてきました。自分の思い込みや感情は必要ない。立場上、自分を捨てなければいけない事も多々あります。その子その子によって求めているもの、介護の仕方なども違うので、いつもそこには学びがありました。うららもそうでした…。「楽な方に導く事」それは、尊重から外れてしまう。だけど…今回だけは、私の中で「尊重」を捨てました。うららの寝方、手の位置、足の位置、痛み止めの注射も効かなくなっている事を知ったから…。もう痛みから解放させてあげたいと…うららが望んでいることではなかったけど、「安楽死」を決断しました。今、うららな一番必要なのは「安息」だと、そう感じたから。もう苦しみから終わろうね…もう痛みなんて終わりにしようね…安楽死決行の日、私は誰にも告げませんでした。「いつ安楽死を決行するか分からんから、今日が最後の日だと思いながら、毎日うららと接してね。後悔が少ないようにしてね」スタッフにはそう伝えてきました。でも、私は嘘が下手なようだ…。なぜか、「今日だな」と、みんなにバレていました。病院に向かう夕方、スタッフ達が、うららに陽をあててあげようと、外に連れ出しました。うららは、とてもご機嫌でした。開かないはずの左目をパッチリと開けて周りを見渡しました。うらら…緑色の綺麗な目をしてたんやね…。病院に向かう40分という時間、左手でうららの体に触れながら運転。うららは、終始ご機嫌でした。人の手が大好きやもんね。うららは…。血管に針を入れる時、うららは抵抗しました。タオルを咬んで怒りました。「うらら、直ぐ終わるからね。もう痛みがなくなるからね。もうなんも頑張らんでいいとよ。もう頑張りすぎたやん…もういいとよ…」聞こえてるかもしれんと思って、ずっと耳元で声をかけ続けました。うららは眠りにつきました。機械から聞こえてくるうららの心音。少しずつ音のリズムが不安定になり…うららは、19時33分、永眠しました。とても安らかで眠っているかのような最期でした。保護家に戻り、顔をきれいにしました。やっと、顔に触れる事ができた…。もう、痛くないよね?もう、苦しくないよね?~あとがき~うららと過ごした時間は、凄く短かったと思う。でも、うららが猫ホスピスで過ごした時間、うららが猫ホスピスで感じてたもの、一番強く伝わってきたものは・・・「心地良い」という感情でした。本当は、うららはまだ死にたくなかった。本当は、うららが自分で最期を決めたかった。私は、うららが望んでいる事を尊重しなかった。でも、そこに後悔はありません。そんなとき、古くからの有志に、こう言われました。「安楽死が尊厳死ではないかというと、線引きがとても難しい。尊厳て人によって取り方は違う。死の崖っぷちに動物と一緒に立つ由美さんを見て思うのは、その子たちに、気高い死を迎えて欲しいという想いを、全力でその生に傾けているのだということ。それが正に、尊厳死だと思う。由美さんの手に託されているのは、単なる命だけではないからね。全力でその子に想いを傾けたときに、出てきた判断だったんだろう。うららには安息が必要だと、心の底から思ったんだろうね。安息もまた気高い最期だと思うよ」その言葉に、なぜ私は老犬ホスピスを起ち上げたのか、瀕死の猫達をレスキューするようになったのか、もっと深い部分にあった答えに気付きました。「辛さ、孤独、悲しみ、そんな思いを抱えたままガス室で死なせたくない!」「尊厳のある最期を迎えさせたい!」そんな思いで老犬や瀕死の仔達をレスキュー始めたけど、「気高い最期」「安息の最期」自分が最も大切にしてたものは、この二つだったんだと、気付く事ができました。時に、人間が決断する事も必要なんだと思ったけど、その決断の瞬間を、決して間違ってはいけない。早くてもダメ、遅くてもダメ、見逃すなんてことは絶対ダメ!そのためには、固定観念、先入観、自分の感情を、一度捨てなければいけない。だけど、自分の判断が間違っていなかったと、ハッキリ断言はできない。数時間後、数日後には、うらら自身が決めた最期の時が必ずあったのだろうから。私が殺したことに間違いはない。だけど・・・その子には何が必要なのか、自分に出来る事は何なのか、五感、第六感、全てを集中させていきたいと思いました。お願い事ばかりで申し訳ございません。医療費のご支援を、呼びかけさせてください。どうか、よろしくお願い致します…。宮崎銀行 加納支店 普通口座 104601口座名義:動物たちの未来のために 代表山下 由美郵便貯金 17310-434961口座名義:イノチノハウスホゴヤ〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(担当フジイ)いのちのはうす保護家」 http://pawstamp.com/hogoya/お問合せ先は、HP内の「お問合せフォーム」からお願いします。