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カテゴリ:ヤング・マイロン
思いもかけないプリンセス・キョンとの再会を果たしマイロンとレーオはセブイン家の居城であるセブルス城へ来ていた。
「二人ともよく参られた。」 そう言ったのはセブイン家の当主、アラン卿だった。 「セブルス城へようこそ。私の名はユリーチョ。キョンとは幼い頃からの友達だったの。ウィンラッドのお城にもよく行って、サランの三姉妹と一緒によく遊んだの。そうあのサンクリッド鉱山のあるアシオ山にも四人でよく登ったわ。」 セブイン家の姫ユリーチョはそう言って優しく微笑み、二人と握手をした。 「本当に二人ともありがとう。しかもこのサランの国を救うためにこんなに骨を折ってくれるなんて感謝しきれないわ。」 そう言ってプリンセス・キョンは深々と頭を下げた。 「やめて下さい、キョン先生。僕たちは武術魔法学校を卒業して家に戻る道中でサクランやアズキンと知り合い、サクランのお父さんを救うために北の国からサランにやってきました。そして、不思議な事に僕たち全員がコータッツ王の三姉妹のみならず、サランの国に縁があるのに気づいたんです。だからこうなるのは当然の僕たちの使命なのだと思います。」 そう言ってマイロンはこれまでの不思議な道のりを話して聞かせた。 話を聞き終えプリンセス・キョンも不思議な因縁に驚かざるを得なかった。 「本当に不思議な縁ですね?そもそも私がマイロンと同じ長屋に住んでいた時から始まるのですね?」 「キョン様?ちょっと質問があるのですが....」 首を傾げながらレーオが聞いた。 「僕たちが来ることをネコファム様からお聞きになったとか、アズキン達がネコファム様たちを助けたとか、どうしてそんなにご存じなんです?アズキン達に会ったという事は東の外れ、ここからはまったく逆の方向です。何かに乗って往復しても、少なくとも三十日はたっぷりかかりますよ?ジャウジャウみたいなトリ族の仲間がおられるのですか?」 キョンは優しく微笑んでいた。そして驚くべきことを打ち明けた。 「レーオ。あっ、レーオって呼ばせてもらうわね。ネコファムもそうしているみたいだし。マイロンもいい?」 「そんな無理ですよ。僕は幼い時からキョン先生って呼んでいたんだから、このままキョン先生って呼ばせて下さい。」 マイロンは慌てて言った。 「まあ、お好きなように。ところでさっきのレーオの質問だけど、実はこれなのです。」 そう言ってキョンは海の底のような深い紫色をした石を取り出した。 「キョン先生、それは何ですか?」 マイロンが聞くとキョンは言った。 「響き石です。」 二人の怪訝な表情を見て、またキョンはほほ笑んだ。 「この石は二つに割っても、片方を叩くともう一方にも響くのです。どんなに離れていても。だからこれに向かって話せば、遠くの片割れの石も同じく響くので、石に耳を当てるとそこから声を聞く事が出来るのです。」 「へーっ?これはキョン先生が作られたのですか?僕は今までそんな石のことなんか聞いた事もないけど。」 キョンの笑顔が消えて、静かに言った。 「いえ、これはヘイウッドの原理魔術です。」 キョンの言葉にマイロンは驚いてたずねた。 「キョン先生はヘイウッドの魔術を手に入れたのですか?」 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「響き石」で何となぜか2件もヒット。 マスPと同じ発想の人間がいるのかと思ったら、 「・・・水を湛えた壷の柔らかな響き、石を摺り合わせる音といったオリエンタルな興趣が・・・」 だった。間の点はてんで無視。
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