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カテゴリ:飛翔の剣
ミチルはマイロンから手渡された『導きのガーネット』を恐る恐る受け取り、ひとつ大きな深呼吸をした。もしこの石が何の反応も起こさなかったとしたら。それは彼女にとって最悪の結果を意味するのだから。
彼女は眼をつむりそっと石を両手で包んだ。見る事が怖くてしばらく彼女はそのまま手を開く事が出来なかった。しかし、いつまでも恐れていても何も始まらない。彼女は眼を開くと徐々に握った手を広げていった。 ベルも固唾を飲みながら開かれて行く手のひらを見つめた。 ミチルの手の中から現れた『導きのガーネット』の円錐形に尖った先が赤く光り、それの向きを変えると光りの強さが変わるのが分かった。 「ジーフさんがそっちにいるんだ!」 マイロンは思わず叫んで奥深い森の彼方を指さした。 ミチルもベルも歓喜のあまり涙ぐんだ。 「えっ?そっちは猛獣がうじゃうじゃいる場所じゃないか?」 後ろで声が聞こえたので振り返ると、それは斥候に出かけたアズキンとレーオの二人だった。 「ああ、二人ともお帰り。」マイロンは言ったがすぐに、「猛獣がうじゃうじゃいるって?」と聞き返した。 アズキンは黙ってうなずいた。 「なぜ猛獣がそんなにいる所にわざわざいるんだろう?きっと安全な場所に潜んでいるものとばかり思っていたのに。」 マイロンの疑問にコットンは言った。 「さあな。でもこの島に安全な場所なんてあるのか?」 ハッチも言った。 「俺が思うに、周りに十分気をつけさえすればむしろその方が安全って事もあるかも知れないじゃないか。たとえば一番危険な何かから身を守るためとか。」 「一番危険な何かって、たとえばクリスタル・サーペントとかか?」 アズキンは聞いた。 「理由は何にしろジーフさんは生きている。こっちに行けばジーフさんを見つける事が出来るんだ。行くしかないだろ?」 そうマイロンが言うまでもなく、みんなその覚悟は出来ていた。 「だが行くにしてもだいぶ遠回りをしないと、何が出てくるか分からないよ。」 レーオは忠告した。 彼はこの斥候任務でいやというほど獰猛な猛獣や得体の知れない怪物を見て来たばかりだったから、特にそう思えてならなかった。 そうして一行はジーフがいると思われる方向を『導きのガーネット』で確認しながら、アズキンが作った島の地図を頼りに大きく迂回しながら救出へと向かう事にした。 渓谷は挟み撃ちにされればひとたまりもなく逃げ道もないため慎重に避け、水源地なども餌となる動物が集まりそれを狙って肉食獣が潜んでいる可能性が高いため、そこも大きく迂回した。 しかしミチルの握る『導きのガーネット』は次第にその赤い光が増して行き、ジーフがいる場所はもうそんなに遠くない事も確かだった。 Copyright (C) 2014 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「導き ガーネット」で、807件ヒット。 だがキーワードにガーネットがあるため、すべて装飾ガーネットばかりで実質1件のみみたいな感じ。 「実りの象徴とされるガーネットは、こつこつ積み上げてきた努力を成功へと導き、恋愛の成就にも効果を発揮するといわれる天然石」 マイロンが作った導きのガーネットの事、なかなか言い当てているみたい。
宝石以外でようやく見つけた。
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