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カテゴリ:グーとタラの宇宙放浪記
未開の原住民が大騒ぎしても困るので、宇宙船は海の底に隠していた。 宇宙船が飛んできても原住民に見つかりにくい場所をと考え、三角形のとても高い山の傍にある森に5人と一匹はやって来ていた。 なんでもこの国で一番高い山らしい。 タラは手につけているサバイバルバンドの一番左のボタンを軽く3回たたいた。 すぐに彼らの宇宙船が上空に現れ、あっという間に森の中に着陸した。 ジョンジさんの宇宙船の跳躍ユニットを手早く取り付けると、出発の準備は整った。 『ついにこの地球ともおさらば出来る。』 そう思うとグーとタラは心がウキウキした。 もうシュークリームが食べられないのは何とも心残りだが。 この思いはサッカーや野球の試合が見られなくピーマスさんも同じだった。 「さあグーさんたち出発しようか?」 ジョンジさんはみんなに声を掛けた。 思えばジョンジさんこそ、この地球という未開の星に7年近くも置き去りにされて来て、一番喜んでいるはずなのだ。 「そうだね。じゃあ行きますか?」 コナさんもジョンジさんに相槌を打った。 タラは宇宙船の機器類を点検してグーの指示を待った。 「それじゃ行くよ。」 グーは操縦パネルの赤と緑と紫色のボタンを次々に押してタラに言った。 「Here we go!!」 これを聞いたタラはズッコケた。 「おいグー、それは何だ?」 「ああこれか?昨日地球のDVDていうおもちゃみたいなのでトイ何とかいうのを見ていたら、バズライト何とかという変な奴が叫んでいたんだ。言語アナライザーで調べたら『さあ始めよう』とかいう意味らしい。」 グーは澄まして言った。 「まったくグーにも困ったもんだ。紛らわしい事をするんじゃないよ。おかげでヨシモト何とかみたいにズッコケちまったじゃないか?」 タラの言葉に今度はグーがやり返した。 「『ヨシモト何とかみたいにズッコケちまった』何だ?それは?」 「ああこれは・・・・」 「お二人さん、そんな事はどうでもいいから早く行かないかい?」 グーが言い返すのを、業を煮やしたピーマスさんが遮って言った。 こうしてグーとタラの宇宙船は一瞬のうちに宇宙に飛び出し、最寄りのワームホールを目指して地球星人たちが太陽系と呼ぶキョーヘン宙域をあっという間に飛び出した。 果たして5人の宇宙国家人と1匹の地球犬を乗せた宇宙船は目的の星にすんなりと辿りつけるのだろうか?
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