|
カテゴリ:【数学】
そろそろ顕微鏡が返ってくる頃です。
ミジンコのヒゲ、線虫の毛、ケイソウの破片… 10年分たまりにたまった戦場の汚れをおとして、帰ってくるはずです。 …覗こうと保管してあるサンプルが、春の陽気に誘われて痛んでいないか心配です。 ---------- さて、前回に正5角形が登場したので、その作図方法の紹介です。 正5角形の作図方法はあまり知名度が高くないようです。 正5角形は人気があると思うのですが、何故なのでしょうか。 浮世絵が好きでも、自分では浮世絵を書かないようなものでしょうか。 ・・・何か、うまい(もしくは妙な)説得力のある台詞を絶賛募集中。 計算式は見づらいので省きました。 古来の日本には、次のような作図法もあったようです。 後半はただの遊びで資料を写しただけなので、質問されても困ります。 3番目の 『円の接点を通る』 作図は、相当無茶な手順なのですが 数学的に間違ってはいません。 もしかすると無茶な事は知りつつも、図を汚したくなかったので、 補助線を極力減らそうとした結果なのかもしれません。 ---------- 5角形は格好良い形です。 正方形と違い、接地面に対する辺の壁が斜めにしまっている所がスマートです。 それに対して控えめな屋根も、なかなか風格を感じます。 無人島にひとつ多角形を持っていくとしたら、自分は正5角形を持っていきます。 正7角形も捨てがたいのですが、作図できないのでやはり正5角形にします。 ---------- さて、正3角形や正5角形は作図できるのに、 同じ奇数である正7角形や正11角形、正17角形、正29角形などは なぜ作図できないのでしょうか。 この怪しげな問いにはもちろん 『何かがある』 のですが、それは次回分で解説します。 罠があることが分かっていても気にしない猛者の回答をお待ちしております。 ---------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[【数学】] カテゴリの最新記事
5角形はカッコいいですよね、なるほどそういう書き方ですか、、
阿倍清明の五芒星は京都・一条戻り橋近くにある清明神社で カンバッジでGETいたしました。 私は○の代わりに☆(←正にコレ、内角の線のない)を一筆書きで描きます。 これは慣れないと描けないのでv でも正七角形は描いた事がない、ましてや正11角形なども。 その辺りに「何か」が潜んでいる?? さて「猛者」は現われますでしょうか、、 もさもさしてると夜が明けるけど、、脱兎っっ (2013.03.27 23:23:09)
snowrun29さん。こんにちは。
>5角形はカッコいいですよね、なるほどそういう書き方ですか、、 >阿倍清明の五芒星は京都・一条戻り橋近くにある清明神社で >カンバッジでGETいたしました。 去年初めて清明神社に行きました。 どんな御朱印を頂けるのかと期待していたら、五芒星のスタンプでした。 てっきり達筆な星を書いてくれると期待していたので、拍子抜けしました。 >私は○の代わりに☆(←正にコレ、内角の線のない)を一筆書きで描きます。 >これは慣れないと描けないのでv >でも正七角形は描いた事がない、ましてや正11角形なども。 >その辺りに「何か」が潜んでいる?? 自分も書くなら☆ですね。 >さて「猛者」は現われますでしょうか、、 >もさもさしてると夜が明けるけど、、脱兎っっ 残念ながら、ノー猛者でしたが、質問がわかりにくかったかもしれません。 (2013.03.28 00:46:09)
先生。できました。
(後記事でちょっと解説されていましたが……) +++++ 前提として 「正n角形で、コンパスと定規だけで作図可能なのはΦ(n)が2の累乗のものに限る」 Φ(n) = 2^k ---(1) という定理があります。これは、後記事にも解説されていた「素描可能な正n角形は四則演算とルートにより計算できる」(1')という話を変形したものです。 焼け付き刃ですが、説明をしますね。 定理におけるΦはオイラーのファイ関数で、|Q(c): Q| <= Φ(n)---(2)と書くことが出来ます。この式において、体Qの拡大体がQ(c)。この時のcはQからQ(c)へ変化する時のアクション、つまり四則演算+ルートにあたります。 ここでΦ(n)は、「n以下の整数でnと互いに素である整数の個数」という意味です。なぜ素数なのかというと、 ・正n角形を作図することは(↓) ・円周をn個の円弧に分割することと同じ(↓) ・単位円(長さ1)を分割することは、1のn乗根を求めることと同じ(↓) であり、1のn乗根を求めることと同じ意味を持つためです。 一般に1のn乗根は『n以下の整数でnと互いに素である整数の個数』だけ存在しているそうです。これをΦ(n)で表しています。 正a角形が作図可能とすると、aを因数に持つ正X図形も作図可能です。 なので、まずは、素数nについて考えます。 ・nを素数とすると2からn-1はnと互いに素なので、Φ(n) = n - 1。 ・(1)よりΦ(n) = 2^kなので、 n = 2^k + 1 ---(2) kが奇数だと(2)に二項定理を適用することが出来ますので、因数分解が可能になってしまいます。なのでkは偶数。k = 2mとして、 n = 2^(2m) + 1 ---(3) これが「フェルマーの素数」。素描できるn角形のnになります。 ……が、ガウスさんいはく、m>5だと素数ではなくなるそうです。 したがって、フェルマー素数はmが1から4までの数字しかありません。 正五角形。正十七角形。正二百五十七角形。正六万五千五百三十七角形。 そして、カウントされなかった三角形、と。 しめて5つ。 素描できる図形は以上になります。 QEDです。どうでしょうか。 *無限回試行数があれば、上記以外の方法でもいくつか抜け道はあるそうです。 ちょっとずつコンパスをずらす、など。 芯の太いコンパスを使ってもいけそうです。 +++++ 五芒星の話が素数になって、フェルマーさん、ガウスさんを迂回して、また5に戻ってきました。すごい。 「素数」というと、「人を狂わせる真理の番人」というイメージが浮かびます。素数に関連した問題に熱中するあまり狂い死んだ数学者たちの話を聞くと、「真理」が血塗られてゆくように感じるのですが、式を見るとそんなイメージは全然浮かびません。清廉とした感じが、私は好きです。 『何かがある』とか『罠』とかは、わかりませんでした。すみません。 性分上、全部踏んでるので。 五年越しですが、先生は憶えていらっしゃいますか。 ++追記 あとですね。 あの、実は、この記事にたどり着くまでに本当に紆余曲折あったのです。某シューティングゲームから始まり、二次創作沼に浸り続け、ゲームを再開して、ねばねばと…… 子供の頃の自分にとっても五芒星とか五角形は馴染み深いものでした。星を秘匿して、暴かれた時に発動するモチーフ。特に歴史的由来なぞなかったオリジナルの呪いです。 だからでしょうか。 私にとってこの記事が、すごくその作品のテーマと合致しているような気がするのです。と言うか、もうストレートにこの記事を元ネタにしているような気がしてなりません! さらに言うと、感化されて季節の五芒星を描きたくなった誰かがこの記事を調べて回答するのを先回りして待っているとしか思えないのです! まったくもって狂人の発想ですね! ええ! だとしたら……面白い! こんな面白い仕掛けを創る人がこの世にいるなんて思いませんでした! 色々とぶっ飛んでますね!! 最高です!! +++追記2 それと、自分が中学生の時ですね。自分は五芒星を描こうとして、学校のパソコンでこの記事を見つけたことがあるんです。でも投稿されたのは2013年。年が合いません。おかしいですね。再掲されました? (2018.10.25 01:32:39) |