何がしたいの?〈かふん〉?
昨夜は疲れてそのまま眠ってしまいました。 今朝は、午前9時半に目覚まし時計が起してくれます。 今日は「猫神」と一緒に「病院」に行く日です。 賞味期限が5日程過ぎた「食パン4枚切」の残りを千切って「はな(犬♀)」と「なる(犬♀)」の朝食代わりにします。 「なる」は飛びついて食べ始めますが、「はな」は「食パン」だけの朝食は余りお気に入りではないらしく、座ったまま動こうとはしません。仕方がないので部屋に戻ります。 外からは、「食パン」を食べようと争う声が聞こえてきます。 心配はいりませんでした。 我が部屋猫〈かふん〉も起き出して、「缶カラ」に入っている「猫餌」を食べ始めます。 昨夜、部屋中に散らばってしまった「猫餌」を「缶カラ」にコッソリ放り込んでいたのをジッと見ていた〈かふん〉ですが、そんなことはスッカリ忘れてしまったように貪って食べています。 忘れっぽいのも血が繋がっていない「猫神」譲りのようです。 〈かふん〉を抱いて、着替えのために母屋に向かいます。 驚くべきことに「猫神」は既に起きていて洗濯物の整理をしてくれています。 着替えて駐車場から車を廻します。 余裕をもっての出発となりました。 11時20分が約束の時間ですが、11時過ぎに病院に到着します。 売店で飲み物を買って待合室で待ちます。 診察室のドアノブには「時間待ちの札」が出ていません。 飲み物を飲みながら待合室の椅子に座ります。 後ろの席から『家族で話す』声が聞こえてきます。 お祖母さんとお母さんに付き添ってもらった『二十歳前の女の子』が感情が欠落したような声で言います。 「最初のカウンセリングの人はトテモ単調で機械的に質問していたような気がする。」 「あの人が、聞き取った結果を先生に伝えて、それから診察になるので心配はいらない。」とお母さんが話しかけています。 「先生も大変ね!」 「自分のことより他人(先生)のことを心配してしまう。」 「そういう『性格』だから典型的な『うつ』になってしまったのだろう。」 「もう少し早い段階で、通院を始めればよかったのに!」と後から「猫神」が話し始めます。 「でも、まだ自分で話せるし、1年もすれば、大分回復するんじゃないのかな? 」と「杉の花粉」が答えます。 「そうだろうな。先ず『頼れる人』がいないから。」 「それは、周りの人が頼りないんじゃなくって、『頼ってしまう』と『その人に迷惑をかけてしまう』って思うから『頼ること』が出来ない。」 「そうするうちに、病気が悪化してしまう。」 「まあ、あの段階で通院を始められたということで『良し』とするか。」『うつ歴十年』の「猫神」の言葉には重みがあります。 12時前に名前を呼ばれます。 「猫神」と一緒に入室します。 何時ものように「猫神」からカウンセリングが始まります。 「随分自分の思うようにユックリ出来るようになった。」と「猫神」が話し始めます。 「お互いがリラックスして生活できるのが一番です。」 「最もいけないのは、『互いを批判する』ことです。」 「今後もお互いにリラックスして生活してください。それは非常に良いことです。」と主治医が答えてくれました。 次に「杉の花粉」と交代です。 「仕事で疲れて帰って直ぐに眠ってしまいます。」 「土日の休日も殆ど眠っている状態で、先週『気管支炎』で休んだ3日間、以外は出勤していますが、自分のしたいことをする時間がありません。」 「今までは、『うつ』状態が回復するだけで満足していましたが、少し『欲』が出てきたようです。」と話し始めます。 「職場の方が突然見えて、如何言う状態か心配されていました。」 「今の職場の貴方の立場が、事務では2番目ということで、仕事が集中しているのではないかとのことですが。」と主治医が聞き返します。 「本部にいるときの仕事量に比べれば三分の一か四分の一程度ですから、仕事量での問題はありません。」 「それに『予算』や『人事』などプレッシャーがかかる要素が全くない職場ですので、スゴク『楽』をさせてもらっています。」と答えます。 「何も仕事をせずに、職場にいるだけでも『身体や脳』は緊張状態になることがあります。」 「黄金週間の後数日休んで『新しい職場での疲れ』はある程度とれたようですが、その後にも『疲れ』は溜まっていきます。」と主治医が続けます。 「最近は忙しそうにしている。敢えて休みを作ろうとして無理しているような気がする。」と「猫神」が割り込みます。 「そういえば、最近は少し『セワシク』していたような。」 「余り気が付いていませんでしたが、一旦馬力で仕事などを片付けようとしていたような・・・」 「気が付かないのが一番心配です。」 「気が付いて、『している仕事を少し変えてみる』とか『手洗いに行く』とか。」「お昼休みに『暫らく眼を閉じている』だけでも大きく違ってきますよ。」と主治医が続けます。 「二人で仲良くリラックスして生活してください。」 「『無理』は禁物です。くれぐれも自分の体調と相談しながら、一遍に済ませようとはせずに、『1時間仕事をすれば10分位は休む!』という気持ちで生活してください。」と主治医がアドバイスしてくれました。 今日も「猫神」共々ニコニコしながらお礼を言って診察室から退室します。 精算して病院を出ると1時半を廻っています。 今日は行けませんでしたが、「病院」に出かける時には、何時も朝食を食べるお気に入りの『喫茶店』に向かいます。 「杉の花粉」は、「ランチ(紅茶付)」、「猫神」は「焼きソバ」と「ホットコーヒー」を注文します。 「ここの薄味が嬉しい。」と濃い味が苦手な「猫神」は嬉しそうに『焼きソバ』を食べ始めます。 二人とも満足して『喫茶店』を出て車に乗り込みます。 途中、買い物などをして、何時もの『内科医』に向かいます。 『内科医』の待合室には、珍しく4人位の患者が座っています。 でも10分もしないうちに名前が呼ばれます。 「偏頭痛が治まらない」と言って『鎮痛薬』と何時もの『糖尿病薬』の処方箋を貰います。 近くの『薬局』で薬を処方してもらい、自宅へ向かいます。 自宅で「猫神」を降ろし、駐車場まで車を廻し戻る時、自宅の裏の道に〈かふん〉がいます。 「待っててくれたんだ」と少し早足になります。 隣の家まで来たら、〈かふん〉はブロック壁の上に駆け上りジッと見ています。 何がしたいのか良く判らない〈かふん〉です。 帰宅すると午後6時を廻っていました。 「頭が痛い」と、何故か「杉の花粉」のベッドのド真ん中を占領して本を読み始める「猫神」を放っておいて、一人で宅配された「野菜タップリお弁当」を食べ始めます。 「引き違い戸」の隙間から〈かふん〉が飛び込んできます。 「オカズ」から『ソーセージ』を前に置くと少し迷いながら食べ、直ぐに外に出かけてしまいます。 最近、益々〈かふん〉の行動が判らなくなってきました。 まあ「猫神」に比べれば可愛らしいものですが・・・。 お弁当を食べて、熟睡する「猫神」を右側にズラシ、ベッドに横になると何時の間にか眠ってしまいます。 午後11時位に気が付くと「猫神」の姿はなく、何故か「猫神」系一族のボス猫〈さしみ〉が「猫餌」を食べています。 座椅子の上の〈かふん〉と一緒にジッと見ていたら悠々と「引き違い戸」の隙間から出ていきました。 「引き違い戸」を閉めようとします。 するとベッドの下から「にゃ~ん」という声が聞こえます。 「オニオン」が隠れていました。 再び「引き違い戸」を開けると「オニオン」は一目散に飛び出していきます。 ようやく静かになった「杉の花粉」の部屋で〈かふん〉と一緒に眠り始めます。 午前6時前に眼が覚めて、「病院のハシゴ」で疲れた身体を戻そうと「シャワー」を浴びたら動けなくなってしまいました。 ですから今日は欠勤してこの日記を書いています。