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2007.04.12
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カテゴリ:萌え映画
だそうである。そんなになるのか……。覚えているよ。真っ赤なシフォンのドレスで、ディ・ステファノとアリアを歌っていた姿。あまりにも日本人とは遠すぎる骨格、顔。

カラスは父が好きで、最期の日本公演は、家業が危ないという時期にもかかわらず、逃げ出すように東京に行って家族の非難を浴びていた。

私もオペラは中学ぐらいから聴いていたけど、カラスのすごさがわかったのはずっと後だった。大体、オペラは生で聴かないと本当のすごさはわからないと思うんだけど、過去に「すごいっ」と思ったのは、ホール全体が振動するようなものすごいバスバリトンだったり、ワグナーやR・シュトラウスのドラマティックな場面がほとんどだ。
モーツァルトやヴェルディは好きだけど、「すごい」ではなく「楽しい」「面白い」感じだしね。で、どちらかというと、ソプラノはリリックがすきなので、キンキンわめいているだけに聴こえたドラマティコは苦手だった。

なのに、自分の意思でカラスのレコードをターンテーブルに乗せた時(そうだ、当時はまだレコードだった。今でも持っていたりする)、もうさんざん言い尽くされているが、若い頃の狂乱の場は、やはり奇跡のような名演なのだった。今のデジタルの時代からすると、ライブだったりして録音状態が劣悪なのにもかかわらず、震えがくるほど感動した。なんだろう、ただ音符をなぞってテクニックで表現しているだけじゃない、そこに明らかに魂が入っている、みたいな恐さ。この時代を舞台で見られた人たちが本当にうらやましいと思った。

そういえば映画永遠のマリア・カラスは良かった。確か生誕80年とかで製作された自伝的な映画で、晩年(といっても40~50代)の彼女の暮らしぶりが描かれていた。
ファニー・アルダン、ジェレミー・アイアンズという演技巧者の競演もよかったし、カラスと縁の深いゼッフィレルリがメガホンとっているのも、すごく久しぶりで嬉しかった。もともとオペラの監督だし、カラスを使って演出していたこともあるはずだし。
ついでに、ゼッフィレルリ自らの性癖も有名だが、ジェレミー・アイアンズがゲイのプロデューサーという設定で、絵を描く聴覚障害のある青年とのラブというのがサイドストーリーになっていて、これがまた切ない。ジェレミーは本当にゲイが似合う(笑)。

ファニー・アルダンは、トリュフォーの遺作「日曜日が待ちどおしい」で初めて観てから、その一つ一つのパーツの大きな顔とか、大柄な印象(実際、大きい)とか、インパクトのある女優だったけど、晩年の、私が見知っている髪を大きく結い上げたカラスにほんとうによく似ていて、しかもシャネルとか上等な服がモデル並みによく似合っていて、すごい女優だと改めて思った。
最近だと「8人のテーブル」(だっけ?)で、異彩を放っていたけど、なんだかこのままジャンヌ・モローみたいになっていくのではないかと思うと、年老いていくのを楽しみにしたい人だ。こういう爆弾みたいな人は、ずっとがんばってほしい。

それにしても、カラスの晩年があんなに寂しいものだったとは知らなかったので、「永遠の~」はショックでもあった。世界中から絶賛を浴び、燃えるような恋をし、経済的にもなんら困ることはなくても、自分の声が衰えていくのを認めるのは、恐かったんだろう。恋や愛はさ、一時的な病気みたいなものだと思うんだ。それよりも自分の唯一の財産「声」を失うことこそが、彼女にとっては恐かった。自分はよかった時代は過去のものとして封印できるタイプだけど、できない人がいるってことだよね。

それを、既知の仲であるプロデューサーが、表面的には「もうひと稼ぎ、もうひと花」という動きをしながら、本当に彼女がもうだめなことを知りつつも、なんとかもう一度表舞台に出して励まそうと、オペラの舞台は無理でも映像として記録に残すために奔走するところは、なんだろう、色恋の愛情ではない、苦楽を共にしてきた戦友みたいな結びつきなんだなあと、じんわりきちゃったよ。大体にして、クラシックのアーティストは、名プロデューサーと組んでどんどんスターダムに登りつめて行くのが常套だから、ジェレミーが演じたプロデューサーも、人としてどうかと思うようは行動はするにせよ、仕事は一流だったんだろう。

あああこの映画、もう一度観たくなった。どうせカラスのオペラのDVDとかも、これからたくさん出るんだろうなあ。オペラの音源とか、高いよね……GW前にして散財のピ~ンチ!

 






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Last updated  2007.04.12 09:02:31
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