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2008.03.13
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カテゴリ:萌え映画


ひとりデイ=ルイス祭り敢行中である。
とりあえず、超スノッブ編と称して「眺めのいい部屋」と「エイジ・オブ・イノセンス」。「ボクサー」も観たけど、これは「父の祈りを」の延長線にある作品だった。

前者はつい先日も再見したばかりだからもうなにも言うまい。脇役なのにこんなに目立っていいのか、という問題はさておき、彼がゲイなら、将来(つまり老年期)はダーク・ボガードみたいな怪しい色気を振りまく美老年になってくれそうなのになあ……とちょっと残念だったり。いや、こういうよい血筋は絶やしてはいけないからな、妻がいて息子がいるのはよいことだ(笑)。

で、公開当時は「なんでスコセージがこんな駄作を」と酷評にまみれた後者だが、私もリアルタイムで観た時はピンとこなかった。ミシェル・ファイファーが大根すぎるのか? でも久しぶりにみたら、ディテールの凝った作品で、吐きそうなくらいスノッブですばらしい映画だった(笑)。紳士のなんたるかがよくわかる。つまんねえの、紳士って(笑)。
で、コッポラのプロダクトでスコセーゼがメガホンって、二人とも先祖の血統は違うだろうと思うのだが、こういう歴史のない国でさえ、古きよき時代を絶賛したいという気持ちは買うぜ(笑)。

衣装とか料理とか調度品とかテーブルセッティングとか室内装飾とかマナー、社交界、すべてがイギリスそのまんまで、なのに舞台はニューヨーク。セントラルパークなんてまだ半分荒野だったころの1860年代。
場面は歌劇場でのボックスシートから始まる。まだメットなんてない頃のNYの歌劇場ってどこ? 知りたい。

ベストにつけた鎖につながっているのは懐中時計じゃなくて、シガーカッターだったり、TPOに合わせて一日に何度も着替える人々(無論男性も)とか、電話も電報もない時代だから、急用があってもいちいち使いを出して訪問の旨を伝える(これは日本もそうだよな)とか、男も女も、着替えるだけで何十分もかかりそうな窮屈そうな服とか、こういう不自由さにあこがれる。なんだろうな、形式・様式好きの血が騒ぐ。

着物が好きなのも、クラシック音楽からなかなか抜け出せないのも、歌舞伎だの泰西名画だの古い様式が継承されている世界が好きなのは、幼少時の刷り込みだから、今さらいかんともしがたい。古いものに固執するのは、いいことばかりじゃないんだけどな。

院の口頭試問の時、「転部して2年学士をやりなおししてでも人類学をやりたい」と情熱を訴えたら、たまたま試験官の一人がお世話になった博物館学の教授で、「君にはフィールドワークは無理でしょう」と言われた。自由な発想が欠けているからって。未だに忘れない。学芸員講座での基礎課程は満点つけてくれた先生だったが、実習が北海道での自然分野選択だったのがいけなかった。キャンプとかできない体質だから(笑)。

閑話休題、とにかく今観ると、結構面白いのよ。社会規範のとおりに生きてきた名家のボンボンが、若い婚約者がいながら、婚約者の従姉妹である別居中の伯爵夫人によろめくと言う、男女の視点が逆っぽいストーリー。

コンテッサの称号は憧れの的だけど、夫婦仲が不仲で、出戻りっぽくNYに舞い戻った美しい伯爵夫人(ミシェル・ファイファー)は、嫉妬と侮蔑がないまぜの社交界から迫害されている。彼女は離婚したがっているが、当時はそんなの考えられないから、親戚中が反対するという。唯一の味方は、太りすぎて自力で歩けなくなった一族のゴッドマザーの祖母だけ。
デイ=ルイスは最初、弁護士という立場から彼女を擁護するが、ファイファーは実は彼に一目ぼれ。思わせぶりな彼女の行動に結構翻弄されるデイ=ルイスってば萌え。

次第に心は彼女のほうへと傾いていくけれど、自分にはすでに婚約者がいるからと、泣く泣く別れを告げて結婚するけど、実は子供で世間知らずだと思っていたこの婚約者のほうがずっと役者は上だった、という話だよな。あれ、違う?

すべてを見通して、でも何も知らないふりをして、ひそかに伯爵夫人を未来の自分の夫から遠ざけ、自分の意のままに遠隔操作するっていうのは、無意識の行動なんだろうか。計算づくだとしたら、古今東西悪妻と言われた女性の条件に当てはまるのではないかな。小鹿みたいなくりくりの目をしたウィノナ・ライダーが演じるから余計にそう思うのか。それにしも、この映画に出てくる女性たちの内臓はどこにあるんだ? どいつもこいつも細くて見事なウエストラインだでくらくらする。

舞台はマンハッタン、ボストン、ワシントン、フロリダとランデスケープが移動するけど、今から150年前のアメリカ東海岸の社会情勢が興味深い。黒人どころか、東ヨーロッパの移民すら登場しない、とっても閉鎖的な19世紀のNYは、独立してから100年近く経っているのに、全然自由の国ではないのだった。

それにしてもコスチュームも家のしつらいも、パーフェクトな映画。ミュートにして映像だけ眺めていたいよ。
酷評されたのは、きっと主人公の行動が理性とモラルによって制限されていて、ダイナミックな展開がほとんどないからだよな。デイ=ルイスは結局、伯爵夫人を無理やりどうこうするどころか、キスすら一回ぐらいしかしてないんじゃないか? そして悶々と伯爵夫人への思いを抱いたまま30年を過ごし、息子の代になって再会のチャンスがあるのに、あえて会わずに去るという。いい意味で予想を裏切ってくれる。何も起きずに終わるから不評だったに違いない。

そしてかわいい顔して、結局「絶対あんたなんかにこの人は渡さないっ」って無言で圧力かけるウィノナ・ライダーが怖い。結婚前、自由奔放に見えた婚約者が、妻になった途端にどんどん俗物に成り下がっていくことに失望を覚えながらも、一方で家のなかのことがすべて彼女に仕切られて、自分の自由がなくなるのを感じるデイ=ルイス。それでもジェントルマンは言いたいことを飲み込むのだった。(きれいな)女は魔物だけど、きれいなだけじゃだめなんだよなあと、男の気持ちになって観てしまった。

それにしてもいろんなことに我慢できるのは、さすが元英国紳士というべきか(笑)。我慢→ストレスで長生きできなさそう。





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Last updated  2008.03.13 08:57:08
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