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カテゴリ:BLマンガ
『ジンと猫は呼ぶと来ない』SHOOWA またもや翻訳調タイトルだなーと思ったら、ちゃんと英語の原題(笑)がついていた。Neither A nor Bって、久しぶりに見たな。でもこの作品の原題はフランス語にしてほしかった。 相変わらずわかりにくい話で、ずっとバスタイムに読んでいたけど、バスタブに浸かるたびに同じ話を何度も読んでようやく「面白い」と思える不思議な話。今回、どのキャラの顔も同じに見えて全然見分けがつかなかったのと、せめて髪型で見分けようとか思うと、ウィグかぶってたりするしで、本当に混乱した。この人の描き分けのできない開き直りなストーリーがまたいい味出していたりする。 過去作品のスプラッシュが2本。もうフランス映画のようにわけがわからない。難解というのとは違うけど、作者が描きたいのはストーリーでも恋愛でもなくて、訳ありな若者たちの生態だけって気がする。不思議。編集者はちゃんとわかってるんだろうか。時折、ストーリーが全然見えてこないけど許せるマンガってあるんだけど(円陣さんとか円陣さんとか剣解さんとか剣解さんとか)、それはひとえに絵が達者すぎるからだったりする。でも、この人は絵がすんごく巧みというわけでもなく、なのに妙に存在感あるんだよな。猫とかびっちみたいだし。表紙の胴長さには吹いたし、何しろ顔の表情がどれも同じだし。全体にアンバランスでそこが魅力、みたいな。 ちょっとまえにコメントしてきたおフランス人の腐女子さんは、そんな不安定さといろいろ古いフランス映画みたいなところが好きだったのかな。 で、スプラッシュものの表題作よりも、ヘンな天使の出てくる近未来SFが爆笑ものだった。この人さ、ペンネームといい自画像がウ○チのところとか、どこまで本気かわからなくて、デビュー作のびっくり浦島太郎とか、ふっと頭に沸いてきて「くすくす。こんな話考えちゃった」と普通なら脳内自己完結して、どこにも証拠を残さない妄想を、そのまんま形にして、あろうことか商業作品にまでしちゃう荒業ができる人なんだよな。 天使のモチーフってもっとゴスロリになるか(ユキカオリの禁猟区みたいな)、ファンタジーになるかの二極かと思っていたら、一本ネジの吹っ飛んだ妙なお話で面白かったよ。ふっと、中年のくたびれたおっさんが天使だった「ベルリン天使の詩」を思い出した。ブルーノ・ガンツ、最近みないなあ。 ともかくも、このノリは貴重。わかってもらうことを拒否しているわけではないのはわかる。でもわかりにくい。かといって高尚だとか難解だとかいうのとも違う。この雰囲気でどこまで支持され続けるかは不明だけど、わが道を行ってほしいよ、うん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.04.16 07:47:10
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