狂歌、皮肉とおかしみが凝縮されている 五七五七七
江戸の狂歌 皮肉とおかしみが凝縮されている 五七五七七 ほとゝぎす 自由自在に聞く里は 酒屋へ三里 豆腐屋へ二里 (頭光(つむりのひかる)大田南畝の筆名です),花鳥風月を常に楽しめるような場所は、酒肴を買う店が遠くて不便だという意味で、風流趣味を揶揄している。 ほとゝぎす鳴きつるあとに あきれたる 後徳大寺の有明の顔(大田蜀山人、大田南畝の筆名です)百人一首の徳大寺実定の歌(ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる)が元歌。 歌よみは下手こそよけれ 天地の 動き出してたまるものかは(宿屋飯盛)古今和歌集の「力をもいれずして天地を動かし…」をふまえた作。 はたもとは今ぞ淋しさまさりけり 御金もとらず暮らすと思へば 享保の改革の際に詠まれたもので、旗本への給与が遅れたことを風刺している。 白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼こひしき 白河は松平定信の領地で定信の厳しい改革より、その前の賄賂政治ではあったが、田沼意次の政治の方が良かったことを風刺した歌。 どの狂歌にも味がありますなあ 笑左衛門