秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。
東北に20年近くいた私に、仙台「藤崎」で初めて個展を開催するので、応援してほしいと紹介された陶芸作家の中野純さん。
東北一の老舗百貨店で開催出来るのだから、私が応援するまでもないのですが、柔らかな風合いや不思議な文様の作品に、とても興味が涌きました。
びっくりしたのが上の写真。
<祭器>という、古代中国の青銅器「鼎」に着想を得て制作したシリーズだそうで、「日本第2位の高峰、北岳(3,193m)の山頂から、第1位の富士山を望んでいる図」との事。
山の記憶が刻まれた作品なのです。
仙台「藤崎」の案内状がこちら↓
◆中野純 作陶展 ~灰釉の優しい色合いの世界~
2月16日(木)~22日(水)<最終日午後4時30分閉場>
仙台「藤崎」本館6階 美術ギャラリー
◎会期中作家来廊
このたび、仙台にてはじめて個展をさせていただくことになりました。
蹴轆轤(けろくろ)のゆったりしたリズムと藁、松、櫟(くぬぎ)など天然灰秞の優しい色合いを大切に制作した食器、花器、茶器、壺、陶板を出品いたします。
アースカラーとも言うべきその自然な色合いはそれぞれに独特です。
皆様どうぞお誘い合わせの上ご来場くださいますよう、ご案内申し上げます。
中野純さん ↓
中野純さんのHP:Jun Nakano Clayworks に、プロフィールがあるのですが、
「父は物理学者、母はピアニスト。東京大学文学部社会学科を卒業。
大学1年の時に陶芸に出会い、出会ったその日にこれを生涯の仕事にすると心に決める。」
って、なんとまぁ、そんな人がいるんだ?!と驚いてしまいました。
私は、遊びに行った陶芸家の出口鯉太郎さんの工房で、いきなり「何でもいいから作ってみたら」と粘土を前にして、固まってしまった経験があるのです。
趣味でやり始める方は多いと思いますが、生涯の仕事にするって、心に決めて実行してしまったっていうのは、やっぱり、異色ですよね!
さらにお祖父様は「前島憲平」さんという方で、
産業界に大きな功績を残した佐野隆一氏の「鐡興社」を引き継がれた方なのだそうです。
(三島の佐野美術館と繋がってちょっと嬉しい)
前島憲平氏↓鐡興社の社史から。
ちょっと歴史っぽくなってきて、興味はつきないのですが、仙台「藤崎」会期中に行ける方、是非、中野さんにお話しをうかがいながら、作品を楽しんで見てきて下さい。
気軽にお声かけして大丈夫だそうです!
ご盛会お祈りしてます。
※写真は中野さんに許可をいただいて掲載しました。