◆ 酒のみが酒屋の前を通ると・・・
♪ 高いほど売れるものあり希少とふ価値にとびくる金色蝶々‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ カミさんと家電量販店に行った帰りに、車を途中下車して5キロほど歩いて帰って来た。途中にある、こだわりの酒を扱っている酒店に立ち寄った。 日本中の名だたる銘酒が勢ぞろいしている棚に、見たことも無いラベルの酒があった(ほとんどが知らない酒だが)。720mlで9万円という値段が付いていた。日本酒でそんな値の付いたものを見たことが無いので、一体どんな酒なのか興味をそそられた。名槌屋 (東海市) 店の人に聞くと、特別な種籾を自家田で少しずつ増やして作った酒米を使い、70%ほど精米して醸造したものという。出来てから冷蔵庫で数年寝かせてあるのだという。手間を掛けてある上、生産量が少ない。それを更に数年寝かすという念の入れようだ。どんな味がするのだろうか。飲んでみたいがあまりの値段に、飲んでしまってはいけないものの様に思えた。 家に帰って、PCで調べてみた。 【郷乃譽「山川草木」純米吟醸 無濾過生々】 二千年前の光と風がいま蘇る....... 『山川草木』......“あるがままに” 日本酒は米と水と匠の技、そして哲学から生まれます。しかし、自然を越えることは何人たりとも出来ません。「自然に身をゆだね、いつも自然の傍らにいて、あらゆる感性を研ぎ澄ませ、万象を感じ取りながら、日本酒を醸す」。そんな思いから、人の影が全く映らないお米を探し始めました。 奈良県平城宮跡から炭化した米が発見されたと聞いた時は感動で体が震えました。この米は専門家によって遺伝子レベルまで解析することが出来、西暦0年から紀元前400年の米と解りました。同じ遺伝子構造をもつ僅かな種籾から自家田での栽培、収穫へ。 造りに於いても人の影が映らぬよう、当家伝来の伝承最古法仕込みで醸し、まさに天の恵み、地の恵み、大いなる自然があるがままに醸した日本酒がここに誕生しました。自然であるが故にもてる気品と朴訥な味わいをご堪能下さい。郷乃譽「山川草木」 ■蔵元:須藤本家株式会社 ■産地:茨城県 ■原材米:古代米 ■精米歩合:非公開 ■アルコール度:15.0~16.0 ■日本酒度:非公開 ■酸度:非公開 ■上槽:中汲み槽掛け ■甘辛:辛口 ■販売本数:限定82本 ■720ml(42,000円) 《完売》 ■蔵元コメント 味、香りともに通常の純米吟醸、純米大吟醸では醸し得ない深みと奥行きを有し、熟成バランスが非常に良く、良い纏まりを見せています。味がしっかりとしていながら深い透明感があり、うすいシルクが幾重にも重ねたような味と深い味幅とその余韻、そして軽快な深い酸の広がりと味のキレを感じます。この味わいを維持するため、無濾過のままお出しします。オリがうっすらと出る可能性がありますが、品質に問題はありません。 ■古代米について 『山田錦は確かに素晴らしい酒米ですが、人の手で改良されてきた米ですからどうしても人の影が酒に映ります。だから人の影が映らない朴訥とした自然のままの酒を造るための米を探していました。そして見つけたのがこのお米です。』 ♪ 売れる値が適正価格プレミアの付きて価格のいや増しゆきぬ とまあメーカーの能書きを転載してみたが、これで不味かったら顰蹙を買うだけでは済まない。販売元では、42,000円で売ってるものをここでは90,000円で販売している。倍の値段だ。 こういうものはオープン価格で、高くても買う客がいればそれがその商品の適正価格というわけだ。化粧品でもダイヤモンドでも、原価を無視して法外な値段が付く。プレミアが付いて値が上がり、また高いほど売れるという不思議な世界。 色んな酒を眺めている内に自分も買いたくなったが、まだここから3キロほど歩かねばならない。手持ちの金もポケットに1,050円しかなかった。その金額で買える酒を選んでもらった。車多酒造【天狗舞 山廃にごり酒】 数年前に新発売されたという「にごり酒」だ。 ■精米歩合:65%(全量自家精米) ■日本酒度:-15 ■酸度:1.2 アルコール度数:13度 車多酒造 おススメの楽しみ方は、酒を1日置いて上澄みとにごりを分離させる飲み方だという。 上澄みは、香りがギュッと凝縮され、山廃仕込の五百万石の米のどっしりとした旨味を味わえ、濁りがない分、甘味が強調され、ワインのような味わいを楽しめる。 上澄みを満喫した後は、滓を混ぜてにごりを楽しむ。上澄みと比べると軽く感じられ、滓と混ざり合うことでヨーグルトのような飲み口と優しい甘さが楽しめる。 一日置くなんて出来ない。さっそく飲んでみた。棚にあった時は沈殿していた滓が、手にぶら下げて帰って来たので完全に混ざって白濁している。日本酒度が-15という事は相当な辛口なはずだが、とろっとして甘く感じ、後味もすっきりしていてとても旨い。あっという間に半分飲んでしまった。残りは、一日置いて上澄みを飲んでみようと思ったが、もう上澄みはほんの少ししか取れないかもしれない。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)☆短歌集「ミソヒトモジ症候群」円居短歌会第四歌集2012年12月発行●「手軽で簡単絞り染め」