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先日、小学5年生のPTA行事で、「貿易ゲーム」を指導する機会をいただきました。 私にとって、これも、新たな科学実験であり、 新たな道徳教育じゃないか、と気合の入っているゲームです。 PTAの皆さまに感謝いたします。
持てる国、持たざる国の立場になって、 その悲哀を、肌で実感するゲームです。 Aグループは、資源も技術のアリ Bグループは、資源無し、技術アリ Cグループは、資源も技術も無し。 ルールは至って、シンプル。 この与えられた条件をもとに、 暴力と盗み以外は、何でもOK。 知恵と勇気で、自分の国のお金を儲けるという シュミレーションゲームです。 あえて、道徳めいた話は一切しませんでした。 感想が面白いので、読んでみてください。 「ぼくは、貿易ゲームがものすごく楽しかったです。 DチームとCチームがびんぼうで、Aチーム、Bチームは 金がけっこうあるのも、くふうしているのですごいです。 ぼくのチームは1位じゃなかったので、もう一度やりたいです。」 この子は、差別があるのを、楽しんでいますね。
「Dチームになり、最初は、ちょっとやだなあ、と思ったけど、 始まってみたら、とても楽しかったです。 出稼ぎに行ったり、売りに行ったり、買ってきたり、 いろんな体験ができました。 お金がたまってきて、兵器を買いたかったけど、 みんなが反対したのでやめました。 10時30分に病気がひろがる、と言っていたので、 早く病院を買わなくちゃと思いました。 でも、お金が足りませんでした。 でも、またやりたいと思います。 本当に楽しかったです。」 この子は、ハンデを楽しんでいますね。 兵器購入の誘惑に負けなかったんですね。
「貿易ゲームを通して、世界経済や政治などの事に対して 関心がわきました。 僕たちの国は、Aグループだったのですが、最初の方は、 なかなかお金が入らず、困っていました。 ですが、先生にアドバイスをもらったり、自分たちの国の人たちと協力して やっていると、だんだんお金がたまっていきました。 機会があれば、またやりたいと思いました。」 先進国でも、結構、苦労するんですね。 国内のまとまりが大切だというこに気づいてくれたようです。
「ぼくたちは、くじで、Aチームでした。 ぼくたちのチームは、大人にだまされたけど、 ぼくたちもだましました。 食料で、お金がなくなったけど、 ITパソコンのおかげで、お金をいっぱいもらいました。 とちゅうで、かくへいきで、ハサミとコンパスをとられたので、 ぼくたちも、かくへいきで、かえしてもらいました。 世界には、Dチームみたいな世界があって、かわいそうだなと思いました。」 すごい、ドロドロした体験をしてますね! 逆に、こういう駆け引きから、相手を思いやる心も出てくるのでしょうか?
「ぼくは、貿易ゲームを聞いたとき、 「何だそれ」と思いました。 でも、ゲームをやって、貿易の意味がわかりました。 お金の大切さがものすごくわかりました。 これからは、本当に買いたい物を買うようにしたいと思います。」 とってもシンプルな感想ですね。 ついつい、余計な買い物をしてしまったんですね。
「私は、貿易ゲームでためたお金は、1回目1万円、 2回目、0円でした。3回目1千円だけでした。 くやしかったです。 でも、お母さんたちと戦って、とても楽しかったです。 とてもつかれたし、自分でもがんばったと思います。 ほんとうに楽しいゲームを考えてくれてありがとうございました!!」 儲けられなかったけど、大人と真剣に戦ったことが 楽しかったのですね。
「貿易ゲームの名前が、【お金もうけ】たったので、 盗んで、お金をためたりすることかと思いました。 でも、予想の「お金もうけ」ではありませんでした。 いろんなものをつくって、そして、はたらいて、 お金をためるゲームでした。 あいざわ先生の実験ゲーム楽しかったです。 じっけんは、いろんな薬をまぜて、できあがり、ということかと思いました。 でも、ぼくら人間を使ってゲームをしたり、 いろんな楽しいことがいーっぱいあることに、気が付きました。 べんきょうになりました。」 広い意味の実験の楽しさに気づいてくれたようです。
「最初はお金がそんなになかったので、大変でした。 けど、だんだん情報をあつめて、がんばって重ね切りをして、 売ったら、お金がたまったけど、優勝はできませんでした。 けど、めちゃくちゃおもしろかったです。 またやりたいと思いました。」 情報と知恵の大切さに気づいてくれたようですね。
「ぼくたちの国は、Bチームでしたが、Bチームのなかでは、ビリになってしまいました。 家に帰って、お母さんにそのことを話すと、お母さんは 『〇〇、お金をかせぐにはね、車がポイントなのよ。 まず、1万ドルで、車の型紙を買って、それで車を作って売れば、 3万ドルがもらえるのよ」と言っていました。 ぼくは、ああ、そうだったのか…と思いました。 こんな貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。」 親子の話題になってくれていたんですね。
「私はDタイプで、最初の方は、何をしていいか、分かりませんでした。 でも、2回目からは、他のグループから物を貸してもらって、 やっと、お金が入って、少しはよゆうができて、しげんをかいました。 となりのグループの人たちは、勝手に、じょうぎを使っていて、 いやでした。 『私たちのなんで使っているの』と思いました。 世の中には、じこちゅうな人がいるんだなと思いました。 でも、やさしい人もいて、楽しかったです。 貿易ゲームで、いろんなことが分かって楽しかったです。 楽しいゲームを考えてくれて、ありがとうございました。」 いやな人がいるから、やさしさがありがたいんですね。
「お金など何も無い国でも、がんばって生きている事を学びました。 大変な国もあることを、あらためて知りました。 貧しい中でもがんばっているんだなあ、と思いました。 これから募金などしたいと思っています。」 いやあ、すごいです。がんばってください。
「私は 〇〇です。(宗教団体名) このゲームは、核兵器や汚い手を使っていいということで、 良心上、できないと思い、やりませんでした。 先生は、世の中は、不公平だと言いました。 私もそうだと思います。 でも、私は、将来、世の中が公平になると思います。 絶対公平になってほしいです。」 彼女にとっては、試練だったのですね。
「ぼくは、このゲームを終えて思いました。 国と国は、だまして買ったりするい事があるんだ、と思いました。」 人間の裏側をのぞいたんですね。
「地球で、貿易ゲームと同じようなことがおきていることがわかりました。」 ご家庭での話題で深めたそうです。
「最初は、すこし、みんなに優しすぎたかなと、今、思っています。 このゲームで、世界が公平になっていない、ということがわかりました。 そのことがわかったのは、ぼくにチームがBグループで、 最下位だったからです。 Aグループから、ハサミを借りようと思ったら、 「1000ドルくれるなら、貸してやってもいいよ」と言われ、 とても悔しかったです。」 なあるほど、苦い教訓ですね。
「ぼくは、Dグループだったけど、最後は 117000ドルもうけられました。 いろんな作業をしたり、なにかを他の国に売ったりするのが とても楽しかったです。 どの国も、平等ではないことがわかり、 協力すれば、技術や資源が無くても、 もうけられることがわかりました。」 すっすばらしいです!!
「私が一番心に残っていることは…全部です。 全部おもしろかったのです。 私は、また楽しいゲームを、もう一回やりたいです。」 よかったです!!
以上、ほんの一部ですが、 子どもたちは、大人が思う以上に、 不平等な社会、騙しあい、裏切り、に 免疫性をもっているもんですね。 何より、悲しい思い、悔しい思いをも、楽しんでいます。
科学や学問、それ自体は、人を幸せにも不幸にも、何にでもなります。 昔は、社会が幸せにならないのは、「無知のせいだ」と思われていました。 だから、教育こそ、幸せを解決する道だと。 ところが、「知」は、善と同じくらい、虚偽も悪も、カンタンに教えらるのです。 さらに、情報自体に、ウソも混じっており、 真に貴重な情報もあれば、プロパガンダも混じっているものです。
国際政治だけでなく、家庭内においても、 私たち人類は、どう生きるべきか、 実は、太古の昔から、ほとんど何もわかっていないのだ、 と正直に認識しなければなりませんね。 知らないことを認めること、 これこそが、逆に、子どもたちの生きる力を与えるのじゃないでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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