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楽天・日記 by はやし浩司

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2004年12月21日
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●生活に追われる夫

 先月(11月末)、ある男性から、つぎのような相談が寄せられた。(住所、氏名は不明。)

 この10年来の不況で、毎年、どんどんと残業手当がカットされている。そのため、生活が苦しくなっている。いくら稼いでも、妻からは、「お金が足りない」と小言を言われる。子どもは、4歳。この先のことを考えると、不安でならない、と。

 収入が減れば、生活の質を落す……というのは、常識かもしれないが、質を落すといっても、口で言うほど、簡単なことではない。一度ぜいたくになれてしまうと、そのぜいたくが、当たり前になってしまう。「給料が10%カットされたから、今日から食費も10%カット」というわけには、いかない。結局は、追いつめられて、やがては、にっちもさっちもいかなくなる。

 本来なら、そうならないように、またそういうこともあるかもしれないという前提で、目一杯の生活はしない。たとえば給料が、手取りで25万円だとするなら、20万円以内の生活をする。その給料が20万円にさがったなら、15万円以内の生活をする。

 ……といっても、これも簡単なことではない。わかっていても、ついつい無理をしてしまう。「来月、何とかすればいいや」と考えて、25万円の収入しかないのに、30万円、40万円の生活をしてしまう。

 その男性が、そうだというのではない。しかしその男性がかかえているような問題は、今、広く、ほとんどの男性が共通して、かかえている問題と言ってもよい。むしろ「20年前、30年前の生活のほうが、心にゆとりがあった」と考えている人のほうが多いのには、驚かされる。

 たとえば、内閣官房審議室が1959年に行った調査によれば、「生活に満足している」と「まあまあ満足している」をあわせると、66%もいたという。

 しかしそれから45年後の、2004年。「満足している」「まあまあ満足している」は、59・8%にさがったという(内閣府)。45年前とくらべると、6%も減っているのがわかる。

 これを文明の皮肉と言わずして、何と言う。

 今の人たちは、当時の私たちとはくらべものにならないほど、ぜいたくな生活をしている。豊かになった。楽になった。が、それでも、「豊かになった」と感じている人は、減っている。考えてみれば、おかしなことではないか。

 しかし私はこの相談を読んだとき、やはり夫の立場で考えてしまうというか、妻の態度にも、問題があるように感じた。「お金が足りない」と夫を責める妻。それを苦にする夫。妻に、もう少し別の言い方ができないものか、と。

が、だからといって、妻を一方的に責めることもできない。家計のやりくりをしながら、四苦八苦している妻の姿も、私には見える。

 今、公的な発表とは裏腹に、民間企業に勤めるサラリーマンたちの生活は、確実にきびしさをましつつある。残業カット、給料の減額などは、まだよいほう。給料が減らされた上、夜中までの残業がふえている企業は、いくらでもある。近くに住むある男性(38歳)は、会社から「文句があるなら、やめてもらう」と、脅されている。もちろんその男性のばあいも、今年の冬も、ボーナスは、なし!

 何かが、おかしい。何かが、狂っている。だいたいにおいて、税金の使われ方が、おかしい。今朝の新聞(12・20)を見ると、O市では、市の公費を、これまでの11年間、職員年金として、水増し流用していたという。その額、驚くなかれ、302億円! 中には、計400万円もの年金を受け取っていた元職員もいたという!!

 話は、どうしてもそこへ行ってしまうが、そうしたシワ寄せが、結局は、こうした男性にのしかかってくる。まじめに働いても働いても、生活が苦しくなるだけの、一般庶民。その一方で、わが世の春を謳歌している、お役人たち。

 こんなことをつづけていれば、日本は、本当に崩壊する。私は、もう、知らないぞ!

 ……ということで、話を戻す。

 みんなで進めよう、質素革命。車が3台あるなら、2台に減らせばよい。2台あるなら、1台に減らせばよい。毎日の小遣いが2000円あるなら、1500円に減らせばよい。借家に住んでいるなら、より家賃の安い借家に引っ越せばよい。

 そしてその分、心を豊かにすればよい。高級なレストランで食事をするのも、たまにはよいだろう。が、しかしそれよりもおいしいのは、海の見える丘の上で食べる、おにぎり。そういう発想に切りかえていく。

 多分、とても失礼な言い方になるかもしれないが、その男性の妻は、そういう「心の豊かさ」とは、あまり縁のない人かもしれない。もしそうなら、それこそ5年計画で、心の豊かさとは何か、それを追求してみたらよいのでは……? 

【付記】

 1970年代まで繁栄を謳歌した、オーストラリア。しかしその後、オーストラリアは、凋落(ちょうらく)の一途をたどる。オーストラリア・ドルにしても、一時は、1ドルが40円台にまでさがる。

 一人当たりの国民所得は、日本に抜かれ、やがてシンガポールにも抜かれる。その当時のこと。私がオーストラリアの友人に、「こういう現実をどう思う?」と手紙を書いたら、その友人は、こう言った。

 「ヒロシ、それがどうした?」と。

 生活の豊かさなどというものは、マネーという尺度では、測ることはできない、と。

 事実、だからといって、オーストラリア人の生活の質がさがったわけではない。オーストラリアは、オーストラリアのままだった。今も、そうだ。

 数字だけを追いかけて、「日本は……」と論じている間は、日本人に、安穏(あんのん)たる日は、やってこない。それはちょうど、偏差値を気にしながら、テストばかり受けている受験生のようなもの。

 あるいは、こんなことも言える。

 足の踏み場もないほど、電気製品や電子製品がぎっしりとつまったような生活が、本当に豊かな生活と言えるのか、と。

 何かがおかしい? 何かがまちがっていた? あるいは何かが、足りなかった? 「お金が足りない」と小言を言う妻の姿を思い浮かべながら、私は、そんなことを考えた。


+++++著作権BYはやし浩司++++++copy right by Hiroshi Hayashi+++++ 

●クリスマス

 息子たちがまだ小さいころは、毎年、クリスマスは盛大に祝った。クリスマスツリーも飾った。ついでに、そのころ家族で、餅つきもした。臼(うす)も、買った。しかしその息子たちも、今は、巣だってしまった。

「クリスマスと年越しだけは、家族みんなでしよう」と、あれほど、何度も約束をかわしたのに、息子たちは、それを覚えていない? 約束といっても、私が一方的に、約束したつもりでいただけなのかもしれない。

 そんなわけで、ここ数年は、年越しはともかくも、クリスマスは、ワイフと私だけの、さみしいものになってしまった。息子たちは、息子たちで、ガールフレンドと、クリスマスを楽しんでいる。「ガールフレンドを連れてきなよ。いっしょに、パーティをしようよ」とは言っているが、もう、今年は言わない。言っても、ムダ。彼らは彼らで、ジジババ抜きのクリスマスを、楽しみたいようだ。

 しかしそういう休みを、本来なら、喜ばねばならないのかもしれない。自立して巣立っていく子どもたちを見るのはさみしいことかもしれないが、それが子育ての最終目標。自立しないで、いつまでも、私たちのそばにへばりついていられるのも、困る。

 私たちは、子育てから、解放されたのだ! ……といっても、三男はまだ大学生。あと二年と少しは、がんばらなければいけない。やるしかない!

 
【子育て一口メモ】

● 自己意識を育てる

乳幼児期に、何らかの問題があったとする。しかしそうした問題に直面したとき、大切なことは、そうした問題にどう対処するかではなく、どうしたら、こじらせないか、である。たとえばADHD児にしても、その症状が現れてくると、たいていの親は、混乱状態になる。しかし子どもの自己意識が育ってくると、子どもは、自らをコントロールするようになる。そして見た目には、症状はわからなくなる。無理をすれば、症状はこじれる。そして一度、こじれると、その分だけ、立ちなおりが遅れる。


● まず自分を疑う

子どもに問題があるとわかると、親は、子どもをなおそうとする。しかしそういう視点では、子どもは、なおらない。たとえばよくある例は、親の過干渉、過関心で、子どもが萎縮してしまったようなばあい。親は「どうしてうちの子は、ハキハキしないのでしょう」と言う。そして子どもに向かっては、「どうしてあなたは、大きな声で返事ができないの!」と叱る。しかし原因は、親自身にある。それに気づかないかぎり、子どもは、なおらない。


● 「やればできるはず」は禁句

たいていの親は、「うちの子は、やればできるはず」と思う。しかしそう思ったら、すかさず、「やってここまで」と思いなおす。何がそうかといって、親の過関心、過負担、過剰期待ほど、子どもを苦しめるものはない。それだけではない。かえって子どもの伸びる芽をつんでしまう。そこで子どもには、こう言う。「あなたは、よくがんばっているわよ。TAKE IT EASY!(気を楽にしてね)」と。

+++++著作権BYはやし浩司++++++copy right by Hiroshi Hayashi+++++





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最終更新日  2004年12月21日 08時54分14秒



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