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楽天・日記 by はやし浩司

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2007年01月29日
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カテゴリ:家族のこと
● 2006年9月

C'Kの1週間くらい前から、左目の目じりがずっと痙攣している。C'Kが終わった今でも、それは続いていて、秋雨前線の雲に覆われたこのところの空のように、気分はどうもすっきりしない。

 C'K当日の朝も、空ははっきりしない雲に覆われていた。C'Kを実施するにはあまり好ましくない天気だが、とにかくこの日にC'Kを終わらせたかったので、最後の最後まで悩んだ挙句、行く決断をした。試験官との相性というものがあって、自分はI教官にぜひ見てもらいたかった。この日以降、I教官は休みに入ってしまう予定だった。

 出題されたコースは、南回りで鹿児島。鹿児島は苦手意識が強く、できれば行きたくなかった空港だ。C'Kの神様は本当によく見ている。大島、枕崎、鹿児島city、鹿児島空港、坊ノ岬、都井岬、白浜。

 上がってみると、案の定コース上は雲だらけ。計画をどんどん変更し、上がっては下がり、右に避けては左に戻り、視程の悪い中、必死に目標を探す。岬だの、駅だの、石油コンビナートだの。鹿屋空港上空を通過後、エンジンフェイル(シミュレート)。『鹿屋空港に緊急着陸します!』でケースクローズ(課題終了)。枕崎変針後、雲は一段と低く、多くなってきて、鹿児島cityまでに2000ft、スパイラルで降下(螺旋降下)。鹿児島離陸後は雲の袋小路に入り込み、管制圏すれすれを迷走。帰りの鹿屋上空で大雨。もうめちゃくちゃだった。泣きそうだった。何度ももう止めたいと思った。

 でも、頑張った。

 天気の悪い日は出来る限り飛ばないほうがいい。でも、得るものが多いのも、自信がつくのも、天気の悪い日だ。最後のVFRナビゲーションで今までで1,2を争う天気の悪さの中を飛んで、無事合格して、大きな大きな自信が身についた気がする。できればもう一度、飛びたいと思った。

 学歴は高卒、これといった資格のなかった僕が、事業用操縦士になった。つまり、飛行機を操縦することによりお金を稼ぐことができるようになったということだ。総飛行時間145時間、総着陸回数324回。短いようで、長い長い1年間だった。

 今の僕は、JISマーク付きのイスみたいなものだ。一定の安全基準を上回っただけの操縦士。ちょっと行儀の悪い子供が座ったり、ゴツゴツしたところに設置されたりすると、ボキっといってしまう、まだひ弱なイスだ。『ミニマムのプロ』。I教官の講評。そう。ここが、新しいスタートだ。

 協力してくれた同期のみんな、応援してくれたみんな、どうもありがとう。Finalも頑張ります。

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● 2006年11月

 仙台課程では、取得しなければならない資格が2つあり、それに加えエアラインへの就職活動も並行して行われる。これが、仙台課程が大変だといわれる所以である。

 航大生だからといって、卒業後、自動的に各エアラインに就職できるわけではない。航大のためだけの特別なスケジュールは確保されるものの、他の一般就活者と同じように、まず4社に履歴書を送り、会社説明会に参加し、SPIや心理適性検査、そして身体検査を受け、一般面接、役員面接を経て、ようやく内定という手はずを踏まなくてはいけないのだ。第一志望の会社に受かる者もいれば、当然、どの会社にも縁をいただけない者もいる。後者は、卒業後、他の航空会社に独自にアプローチをかけていかねばならない。

 つい先日、僕らの一つ上の先輩の一次内定者の発表があった。いくらパイロットの大量退職という追い風があったとしても、やはりまだまだ思うようにいかないのが現実であるようだ。それにしても、エアラインがいったいどういう人材を欲しているのか、いまいち掴みにくいのが僕らの悩みどころである。

 航大の場合、最終内定前に就職がうまくいっていることを確認できる段階が、3つほどある。

 就職活動はまず履歴書を書くことから始まる。その後身体検査と面接が行われ、しばらくすると何人かに再検査の通知が来る。身体検査にはお金がかかるので、再検査が来るということは、面接では合格したものと見込んでいいのだそうだ。

もちろん、身体にまったく異常がなければ、来ない場合あるが。とにかく、これが第一段階。第二段階は、オブザーブだ。オブザーブというのは、会社が学生を何人か指名し、その学生のフライトを、その会社の機長が後席から観察するというもの。当然、会社が見たいと思う学生はほしいと思っている学生なので、オブザーブが来るということは期待していい証拠なのだそうだ。しかし、これはかなり緊張するらしい。

 第三段階は一次発表。これはほぼ内定と見込んでもいいらしい。その後大手2社以外の身体検査、及び役員面接を経て、最終内定の発表となる。

 先輩を見ていて、少しずつ希望が輝いていく人と、翳っていく人がいる。その表情の違いに、果たして3ヵ月後、自分はこのプレッシャーに耐えられるだろうかという緊張感を覚える。夢が現実になる瞬間が近づいている。

 僕らはというと、既に履歴書は提出済み。来週はいよいよ、一週間かけての会社訪問&身体検査に臨む。大鳥居のホテルに8連泊。航大至上初の、一人部屋である。身体検査に向け、各自様々な取り組みをしているようだが、僕も仙台に来て約2ヶ月間、ずっと運動を続け、結果減量に成功した。目標まで、あと少し!

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● 2007年1月

 再検査、と聞くと、何だかあまりいい印象を受けないと思うが、ここ航大の就職活動においては、比較的縁起のいいものとして扱われている。なぜなら、見込みのない学生に、お金のかかる再検査をわざわざやらないだろう、というのが定説だからだ。身体検査→面接→再検査という順番を考えれば、再検査が来たということは、少なくとも面接ではOKだったんだなと思っても、大きな間違いではないだろう。

もちろん、身体検査が一発で受かっていれば、そもそも再検査など来ないのだけれども。幸い、と言うべきか、僕はJ社、A社の両方から再検査の通知が来た。

 J社では心エコー検査というものを受けた。心臓にエコー(音波)を照射して、反射してきたものを映像化する装置で、いろんな角度からぐりぐり見られた。自分の心臓を見たのは生まれて初めてだったので、興味津々で画面を見つめていた。どこかで勉強した通り、心室や心房、またその間の弁まではっきり見えて、僕も同じ人間なんだなぁと当たり前のことをしみじみ感じていた。

しばらく無言で作業を続けるドクター。心配したが、最後に『うん、いい心臓だ』と言ってくれたので安心した。『まぁ大丈夫でしょう』と。って、そんなこと言っていいんですか先生。身体検査は通常、結果は本人に知らされない決まりになっている。

 それ以外にも、J社では検尿、A社では腹部エコーと採血の検査があり、これらについては結果は知らされなかったので、どうなっているか不安だ。でも今は、そんなことを心配するよりもフライトに集中しなくては。2日間で両社回ったのだが、滞在時間はそれぞれ15分くらい。それ以外はほぼホテルでくねくねしていただけなので、ゆっくり休むことができた。今週末も金曜・土曜と連続ALL DAY。頑張るぞ!

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興味のある方は、どうか、息子のBLOGをつづけて読んでください。

http://yaplog.jp/8723cacdiary/monthly/200701/

です。

では、よろしくお願いします。






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最終更新日  2007年01月29日 10時48分29秒
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