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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:***** 伝記 *****
第2次世界大戦中、イギリスを悩ませたドイツの潜水艦Uボート。
Uボートの通信に使われた、解読不可能といわれる暗号。 その暗号解読機こそ、あの名高いエニグマです。 数学の天才アラン・チューリングは、仮想計算機理論を構築した数学界の華でした。 彼は、イギリスの窮地を救うため、暗号解読を志願します。 数学の研究を放棄し、自らの夢を捨ててまで。 そして、エニグマの暗号解読を成し遂げるのです。 成果は目覚しく、実質、ドイツのUボート作戦は停止。 チューリングは、イギリスを救いました。 しかし戦後もイギリスは、暗号解読の事実を隠蔽します。 イギリスの植民地各国に、解読不能と偽りエニグマを供給、各国の情報をスパイしていたためです。 このことは、チューリングの業績が闇に葬られることを意味しました。 業績を失ったチューリング。 6年の数学界のブランクは大きく、かつての輝きも失われていました。 そして、彼はホモセクシュアルでした。 当時のイギリスでは、同性愛は犯罪。 彼は逮捕され、女性ホルモンが投与されます。 乳房が膨らみ女性化し、さらに精神を病みます。 そして2年後の1954年、彼は青酸カリ中毒で死亡します。 自殺とされますが、施設刑事に常に尾行されており、暗殺との説もあります。 同性愛者は拷問に弱いとされ、最重要の国家機密を彼が漏らすと思われていたためです。 イギリスでは機密業務に同性愛者が就けないという法律は、2000年まで維持されていたほどです。 いずれにせよ、国家のために全てを捧げ、国家を救ったチューリング。 彼は国家の邪魔者となり、闇に葬られました。 エニグマの暗号を解読したとき、彼は光の中にありました。 そして同性愛という彼自身の暗号が解読されたとき、 彼は闇に封印されたのです。 こころしたい。 秘密を知られては、なりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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