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カテゴリ:***** 歴史 *****
1938年10月30日のハロウィン前夜。
H.G.ウェルズの「宇宙戦争」が、オーソン・ウェルズにより「火星人来襲」としてラジオ放送されました。 当然の宇宙船の落下。空を飛び回る火星人からのレーザー光線。 その生々しい放送に、アメリカ国民がパニックを起こしたことは有名です。 逃げ惑う人に、心臓発作を起こす人。 ガスマスクを買いあさる人に、毒を飲み自殺を図る人。 銃を手に、火星人に立ち向かおうとする人もいました。 パニックは、偶然の出来事から起きました。 そもそもこのラジオ番組シリーズ「マーキュリー・シアター」は低聴取率3%。 この「火星人襲来」も、「ナンセンスで現実味がない」として放送中止されるところでした。 しかしオーソン・ウェルズは、無理に放送に踏み切りました。 裏番組のエドガー・バーゲンとチャーリー・マッカーシーのショーは、空前の聴取率35%の人気番組。 この「火星人襲来」を聴く人は、ほとんどいないはずでした。 「火星人来襲」は、冒頭でフィクションであることを伝えてから放送されました。 しかし午後8時12分、奇跡が起きます。 裏番組に人気がない歌手が登場し、13%もの聴取者がこの放送にチャンネルを変えたのです。 そのため大半の聴取者は、冒頭のフィクションの通知を聞き逃していました。 慣れない番組を聴いたこともあり、空前の大パニックが起きたのです。 人気番組の聴取率を一気に落とした裏番組の歌手。 ラジオ放送関係者にとって、この歌手こそは、火星人より恐い存在だったに違いありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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