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カテゴリ:***** 科学 *****
ヒョウやチーターは、斑点模様。
トラやシマウマは、縞模様。 この動物に共通の不思議な模様は、どの様にしてできるのでしょうか。 実は動物の模様は”自然にできてしまう模様”なのです。 2種類以上の色素細胞を持つ動物では、色素細胞が相互に干渉しあいます。 増幅と消失を招く反応と、広がる拡散のプロセスで、ヒョウ柄や縞模様が生まれます。 この原理は「反応拡散系」と呼ばれます。 戦後まもなく、イギリスの天才科学者アラン・チューリングにより発見されました。 生物の模様の原理として説明されましたが、生物界にまではその成果が届きませんでした。 彼の業績が無視されたのは、彼の不幸な晩年の影響もあります。 詳しくは、下記のリンク先の日記にあります。 【日記】 「秘密をしられてはなりません - アラン・チューリング -」 戦時中のチューリングは、ドイツの暗号機「エニグマ」の暗号解読に成功したイギリスの英雄でした。 しかし1952年、チューリングは同性愛者として逮捕されました。 当時のイギリスでは、同性愛は犯罪。 彼は女性ホルモンを大量投与され、精神的にも錯乱します。 さらにスパイ容疑までかけられ、彼の業績について語ることまで禁じられました。 「反応拡散系」が発表されたのは、まさにこの1952年でした。 そしてその2年後の1954年、彼の青酸中毒死体が自宅でみつかります。 傍にはリンゴが落ちていて、彼は自殺したのだと考えられています。 ロマンティックな彼らしく、白雪姫を真似て。 彼の早すぎる死がなければ、数学・コンピュータ科学はより進歩しただろうと言われます。 反応拡散系が生み出す動物の体の模様は、20世紀後半になりようやく生物界でも再評価されました。 反応拡散系が生み出す模様は、今日「チューリング・パターン」と呼ばれます。 生物と数学を結び付けようとした彼の想いは、ようやく世界に届いたのです。 **** コンピュータ・シミュレーションによるチューリング・パターンの動画。 音楽とともに変化するパターンに癒されますので、ご覧ください。 「チューリング・パターン」 (画像はウィキペディアより) **** お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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