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ジージの南からの便り

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2011.10.08
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カテゴリ:読書

 「火車」は、「電車が綾瀬の駅を離れたところで、雨が降り始めた。なかば凍った雨だった。どうりで朝から左膝が痛むはずだった。」という書き出しで始まる。そして身体に故障をかかてしまった主人公の姿へ。
私は本を読む場合、それが何百頁のものであろうと、いつも関心を持って書き出しに注目する。そこから物語がどういう展開をみせるのか、期待が膨らむからだ。
今回もさすがと思わせる滑り出しである。

主人公の職業はは前回読んだ「東京下町殺人暮色」と同じ刑事である。
もっとも、その設定は違うが、男の子が一人いて、妻は両者ともいないなど、ある意味共通している部分もある。宮部みゆきの作品を沢山読んだわけではないが、彼女の得意の登場人物なのかなと思い読み進んだ。

物語のスートーリーはともかく、カード社会を考えさせるのが大きなテーマだろうと思った。
出てくる用語は「クレジットカード」「カード会社」「ブラックリスト」「「信用情報機関」「「滞納」「未払い」「割賦」「サラ金」「銀行ローン」「要注意人物」「「キャッシング」「負債総額」「借金」「破産申立」「自己破産」「返済金」
「債権者」「破産」「消費者破産」「消費者金融」等などお金に関する言葉のオンパレードである。

そしてもう一つのキーワードはコンピューターである。
「顧客のデータ」「プリントアウト」「コード」「基礎データ」「クローズド・システム」「アクセス」「キーボード」などなどである。仕事でも少しパソコンにさわり、その後もパソコンを少しかじっている私は何とか理解できるが、若い人は別にして、年配者のなかにはこの本自体を苦手にする人もいるだろう。

この物語はその2つのキーワード「カード社会」と「コンピューター」があって初めて成り立つ小説である。
この二つの現代社会の怪物をよく調べて、物語にした宮部みゆきもやはり凄い人である。

登場する二人の女性はそれぞれ違ったところはあるが、その二つに引き回された犠牲者であると思う。
私の周囲にもそのために人生を誤った人が沢山いる。
それが現代なのかも知れないが、その怪物の正体を知るためにも、沢山の人に読んでほしい。

文庫本で600頁に近い物語だが、分りやすくスムースに読めるし、途中休み休み読んでも物語の本筋を見失うことのない本である。

 

 

                                   






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Last updated  2011.10.09 18:38:48
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