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カテゴリ:Travel(フランス)
カーニュシュルメールでの宿は、グリマルディ城美術館のそばにあるLe Cagnard。 部屋のカテゴリーは海が遠くに見えて、バルコニーが付いているというSupérieure。 料金は 部屋代 135ユーロ タックス2人分 2ユーロ 朝食2人分 32ユーロ 合計169ユーロ(カードで払って21,615円、レートは127.9円) こじんまりとしたホテルのインテリアは、可愛らしいアートでいっぱい。 エレベーターの内装も凝っている。 細い階段には緑の絨毯。ドアにはハンドペインティング。 Mizumizuたちの部屋のドア。 天井にもハンドペインティングが施されている。 机はアンティークだそうで、「重い荷物を置かないで」とクギを刺される。アンティークに造詣の深くないMizumizuには、ただの古くてボロい机にしか見えないのだが・・・ ベッドがやや窪んでいるのが気になった。寝心地は悪くないのだが、どうもフランスは高級ホテルでもベッドがよくない。そういえば、ヨーロッパの高級ベッドのメーカーは、たいてい北イタリアもしくはドイツにある。 バスルームも南仏の雰囲気ふんだん。一応ダブルボウルになっている。 トイレのドアもガラスが綺麗だった。タイルも可愛い。 これまた南仏的なストライプ模様のファブリックを張った椅子。しかし、この椅子の上のクッションの置き方は、なんざんしょ・・・ まるでゲストになるたけ座るなと言っているよう。 アンティークなチェストは、デザインも美しく、磨かれた木肌もつややか。でも、花が枯れているんですが・・・(笑)。夜になって新しい花をもってきた。 ゲストが来る前に替えておけって! バルコニーはとても小さかったのだが、遠くに海が見える窓からの眺めは気に入った。 アンティークな家具とハンドペインティングによる内装は、素朴ながら洒落たセンスにあふれている、プチ美術館のようなホテルだった。 しかし、例によってサービスと水回りの設備に問題あり。 ジャグジー付きバスタブを見たときは一瞬喜んだのだが、ジャグジーはとっくに壊れていた。しかも、最初、シャワーとバスの水を切り替えるハンドルが全然動かず往生した。 フロントに電話すると、出迎えてくれた英語を話すマダムではなく、どうもその旦那さんのような老人が出て、しかも一言も英語が通じない。 「部屋に来てください」と言っても、わけのわからないフランス語で答えるだけで、そのまま切ってしまった。 しかたないので、フロントまで降りて手招きし、部屋に連れて来て、ハンドルが動かないことを伝える。 すると、結局力づくで動かして切り替えてくれた。一度動かせば、なんとか女の手でも操作できるようになったのだが・・・ 一体、どれくらい使ってないんだ? こんなに固まっちゃうなんて。 さらに、水を排出するバスタブの栓がウンともスンとも動かない。動かないのだが、水は微妙に流れ出していき、逆に言えば、いつまで水を出してもバスタブには水が大量にはたまらないようになっている。中途半端に閉まったままということだ。 これにも頭に来て、再度老人を連れてきたのだが、これは男の力でもどうにもならず、ぶつぶつ言いながら出て行ってしまい、それっきり放ったらかしで、この老人とはその後、ホテルでは会わなかった。 さらに朝食は悲惨だった。「何時に食べたい?」と聞かれたので、遅めで「8時半」と答えたのだが、8時半に食堂に行っても、誰もいない。客もいないが、ホテルの人間もいない。 8時半で誰もいないって、どういうこと? 一応用意は整えられているのだが、スーパーで一番安いチーズだろ、というようなチーズとか、これまた一番安いシリアルだろ、というようなシリアルとか、およそ食指が動くものがない。これで1人2000円取るとは大胆だ。 マダムが慌てたように食堂に来たのは、8時40分。もちろん、謝るでもなく、おいしくないコーヒーを入れてくれた。 生ハムだけはまあまあだったので、集中的に食べてしまった。カーニュの町を見下ろし、海を遠くに臨む、眺めのいい食堂なのだが、中身がこれでは、どうにもならない。 タイやバリ島のホテルの朝食に文句をつけてスイマセンでした。フランスの高級ホテル(このホテルは一応、ルレ・エ・シャトーのメンバーなのだ)に比べれば、東南アジアの高級ホテルは、どこでも格段にマシだ。 9時過ぎになって、外出するときに食堂をのぞくと、今度はカウンターバーのところに、若めの青年がボンヤリと立っている。身なりだけはちゃんとしている。なんで今頃アルバイトを立たせてるの? やることがずいぶんとチグハグだ。 3人ぐらいの老人が食事をしていたのだが、ゲストというより、近所の寂しいヤモメがおしゃべりを兼ねて食べに来た・・・という雰囲気。マダムとさかんにしゃべっている。たぶん、地元の人には安く開放しているのではないだろうか。 宿泊したゲストは何組いたんだろう? 夜シニアのカップルを1組見かけただけで、ホテル内で別のゲストにはまったく会わなかった。 経営苦しそう・・・ チェックインしたときに、マダムに「次はどこに行くの?」と聞かれたので、「ニース」と答えると、「ニースならバスでいけばいいわよ、1ユーロだから」と教えてくれた。 そこで、鉄道駅よりは近い長距離バス停まで行き、そこからバスでニースに行くことにした。 カーニュの町は、グリマルディ城のあるHaut-de-Cagnesとルノアールの家のあるCollettes Breguieresという2つの地区に分かれ、バス停はその中間にある。 バス停からはニースやヴァンスへ行く長距離バスも走っているし、バス停とHaut-de-Cagnesを結ぶミニバス44番とCollettes Breguieresのほうへ行く49番のバスがある。 Haut-de-Cagnes地区は44番のミニバスが無料で頻繁に循環していて、交通の便は非常にいい。地元の足という感じだ。逆に観光スポットであるルノアールの家へ行く49番のバスは、めちゃくちゃ本数が少なくて使いにくい。 例によって、地元民へのサービスは手厚く、観光客は冷遇されている。 ホテルはこのHaut-de-Cagnes地区にあり、城から続く階段がちの坂道を2分ほど下ったところ。 44番のミニバスは城の前にも来るが、ホテルに来たとき、私道の前でタクシーを降ろされたところにもバス停があるのが、日中観光をしていてわかった。 つまり、そこまでもう一度ホテルの人に送迎してもらえば、44番の無料バスで長距離バスの来るバス停に行き、1ユーロでニースまで移動できるということだ。 出発の朝、マダムに、 「お昼すぎにニースにバスで行くから、44番のバス停までクルマで連れて行ってくれますか?」 と聞いた。来るときに迎えに来た場所なので、問題ないはずだ。ところが、 「44番のバスはニースには行かない。ニースに行くバス停は遠い。そこまで送ってあげられるかどうかわからない。お昼に私が忙しくなければ連れて行ってあげるけど。今は約束できない」 などと言う。 いや、長距離バスのバス停まで行けというのは、ちょっと要求しすぎだろう。それに、こういう言い方をするときは、まず間違いなく、「お昼に私は忙しくなる」のだ。そして、「タクシーを呼んであげるから」という話にするに決まっている。「事前」にダメだと言われれば、別の方法を考えることもできるが、「直前」にダメ出しされたら、相手のいいなりになるしかなくなる。 「わからないといって引き伸ばして、直前にダメになる」パターン。これってたぶん、フランス人はワザとやっている。 「いや、私はニースに行くバス停がどこか知っている。そこまでは44番のバスで行くから・・・」 と言うと、今度は、 「44番のバスは上の城から出る。歩いてすぐ」 などと言い出す。いやだから、荷物があるっていうの。いくら徒歩2分でも階段を上がるだけの道を荷物をもって行けないでしょ? 「44番のバス停は、私たちがカーニュの駅から来たタクシーの停まった場所にもあるでしょ。あそこまで行ってくれればそれでいいから」 ここまで言ったら、もう相手は逃げようがない。 わかった、と頷いた。 しかし・・・彼女は、44番のバス停がどこにあるかぐらい知ってるハズだ。それなのに、こっちが知らないと思っているのか、「44番はニースには行かない」とか「44番のバス停なら歩いてすぐの城のそば」とか、論点ずらした言い方が実に不親切ではないか。 迎えに来たところに送るだけなのに、なんだかんだと言って逃げようとしている。ゲストを招き入れるところまでは、そこそこ親切に対応するが、あとは手抜きで、自分がなるたけ働かなくてすむよう、そっちに知恵を回してる感じだ。 お客がいなくてこれなのだから、ハイシーズンになったら、どうなるんだろうね、まったく。 カーニュの町を見て回り、お昼過ぎに戻ってくると、マダムはもう黙ってクルマに案内してくれた。 ところが・・・! そのクルマ、荷台が大きく、座るところは運転席と助手席の2座しかない。助手席に無理矢理ゲスト2人を座らせ、「今日はこのクルマしかないから」と、マダム。 これで長距離バス停まで送れるわけがないのだ。44番のバス停だから、すぐ着いたけれど。 南仏のホテルは、だいたいがこんな調子だった。内装は素晴らしいが、スタッフのサービスが三流。というより、サービスの意味も知らない人間が、お高いホテルで働いている感じだ。 いったいフランスは、いつからこんな国になったんだろう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.29 08:52:05
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