571102 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ナがために鐘はなる・なんの役にもたたないけれど

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2014年12月07日
XML
カテゴリ:
この頃よんで面白かった本。

「海うそ」(岩波書店)梨木香歩
「村田エフェンディ滞土録」(角川文庫)梨木香歩


今年は、梨木香歩本の年だった・・・って思うほど、
続けて読みました。
「海うそ」は、レティシア書房のご主人が勧めるだけあって、深くて、
そして謎解きのような部分もあってよかった。
最後の章が、ありきたりじゃなくてよかった。

そして、特に明治の廃仏毀釈、神仏分離について書かれたところは
圧巻だと思った。

ちょっと私自身が忘れないためにも、抜き書きしておきます。


「明治政府は神仏分離を宣言しただけで、廃仏毀釈までは指示して
いません。
神道を国体の基礎とするため、本地垂じゃくとか、神仏習合とか、
神と仏が融合したようなものを引き離そうとしただけであったのだが、
長年仏教に下に見られることに屈辱を感じていた神道の関係者たちが、
ここぞとばかりに暴走したのです。(略)」

「政府は、ともかく神道を国体として確固たるものにしなければ
ならなかった。
キリスト教とともに迫ってくるような諸外国に対しても、
すっきりと論理的に説明できる力強い独自の宗教がほしかった。
そういう意味で、本当は、仏教よりも
排除したかったものがあった。(中略)民間宗教です。(中略)」

「もともと、この国では神道といっても、何やらえたいの知れない、
それこそ八百万の神々がいたわけです。
けれど、国の礎を確立するために、敬い尊ぶべきは皇統の神々、
また、皇室に命を捧げた忠臣、
日本国民はそういう「素性正しい」公認の神にこそ誠をつくさねばならない。
他の「神々」はいらない。
新生の国づくりにやっきになる政府が急務としたのは、強力な軍隊です。(中略)
     
それまではせいぜい村単位でしかなかった人びとの意識を、
国民、という全国共通の概念に修練させていかなければならない。
ご託宣謎を述べたりして、人びとを思うままに
操るモノミミなど、邪魔で不浄の存在でしたかなかった。(中略)
仏教はそうそう簡単には完全に排除などできません。(中略) 

だが、モノミミは違う。見せしめのために、血気盛んな神職のものたちは、
まずこの島へ乗り込んできた。」
   

ここだけ抜き出すと、何の話?って思う人もいるかもしれないけど、
静かな話です。
ただ、やっぱり私は、けたたましい(笑)考え方の人は
苦手だな、嫌だなと思う。



「かくれ里」(講談社学芸文庫)白洲正子


「海うそ」も、
南九州の島を訪れた人文地理学の研究者が主人公で
沈黙する光景の中から、人の営みや時間というものの本質を感じいこう
として、話が進んでいくのだけれども、

白洲正子が書いてるのも、そういうところがある。


「本が多すぎる」(文春文庫)酒井順子

この人、やっぱり賢い!
私も読んだことのある本について書いた文章は、
そうそう、私もそう言いたかったと思うし、
読んでない本については、ぜひ読みたいって思う。
すばらしいわ~。


「女の一生」(岩波新書)伊藤比呂美


昔、長女が赤ちゃんのころ、
「おなかほっぺおしり」とか「良いおっぱい悪いおっぱい」
読んでました。
作者は、もうお孫さんがいるそうですよ。
離婚して、さらにアメリカで国際結婚されたという話は知ってたけど、
私が「プチタンファン」だったかの雑誌を読んでたころは、
離婚前夜というか、不穏な空気だったということで、ちょっと驚き。

でも、まあいろいろあるわね、女の一生(笑)
変わっていくわね、女の一生
っていうのが感じられる構成になってます。

興味深かったのは、約20年ほど前、
私たちが赤ちゃんや幼児を育てていたころ
「コドモより親が大事」なんて言ってた感覚は、
今言うと、それをストレートに
受けてしまう人がいるから、そう簡単に言えないと。
そういう子供に対するネガティブな言い方はできないと。
また、自閉症に対する知識も欠けていたというようなことを反省されて、
2010年に、
「良いおっぱい悪いおっぱい完全版」を出されたということ。

今や、若い母だった人も、
親の介護や自分自身の老いが問題になってきている。

デイケアについて、
今みたいにほんとに高齢者になってから送り出されるんじゃなくて、
生涯学習ということで60になったらみんな登録して、

最初は、「ロックの歴史」とか「新しい免疫学」とか
「将棋実技」とか「お嫁さん論」「人を動かす心理学」なんか、
おもしろそうなのを選択して、

それから少しずつ辛気くさくなり、
「文学の中の宗教」とか「往生論」とか
「独居のための栄養学」とか「死に方の医学」とか
「緩和ケアの漢方」とか「怖くない認知症」とか
「糖尿のふしぎ」とか、
それからもっと進んで「お墓のいろいろ」とか「わたしのお経」とか、
老いの進行によってだんだんカリキュラムが変わっていって、
やがて「折り紙講座」とか「うたいましょう小学唱歌」といった、
現行のデイケアに移行してくならば・・・

と書かれています。

ナイスアイディア!(笑)
講座のタイトルもいいよね^^


「ふかぶかと古都は夕暮れ 日本随筆紀行15京都」(作品社)



古い本なんだけど、図書室の京都コーナーで見つけた!
京都の夕方についての随筆を集めてある。
一番最初は松田道雄、次に夏目漱石。
ほかにもいろいろ。
谷崎潤一郎もあれば、梅原猛、辻嘉一、円地文子、水上勉。
松山猛がちょっと若い?って感じで、昔の人が多いですが
不変、普遍なものが感じられておもしろいです。


この「日本随筆紀行」シリーズ、
全国各地であるんだけど、どれもタイトルがポエムっぽくて
ちょっと笑える^^:



「仏果を得ず」 (双葉文庫) 三浦しをん

軽く読めて、おもしろい。

彼女が車の販売店のやり手営業マンで稼ぎもあり、
彼は文楽の仕事であんまり家にいないだろうというのが
二人の行く末が明るいことを感じさせるんだろうなあ
・・・なんてね^^;








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016年09月20日 09時18分56秒
コメント(4) | コメントを書く


Category

Archives

・2024年05月
・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月

Calendar

Favorite Blog

紋様彩集 展 New! ぶどう^_^さん

由緒正しいモミジが… New! ふろう閑人さん

つつじ祭りとにぎり… New! tamtam4153さん

2024年の桜行脚(3… New! リュウちゃん6796さん

フロムNYのカフェで… New! nana's7さん

Comments

京野なすけ@ Re[1]:最近読んだ本・読む本(12/06) ぶどう^_^さんへ 『ヅカメン』は、宝塚の…
ぶどう^_^@ Re:最近読んだ本・読む本(12/06) どれも読んだことない。 面白そうです😉 …
京野なすけ@ Re[1]:ブログ引っ越し(10/27) ぶどう^_^さんへ 引っ越し、せくもので…
ぶどう^_^@ Re:ブログ引っ越し(10/27) お引越しのあれこれお疲れ様です。 アプリ…
京野なすけ@ Re[3]:10月25日(10/26) ぶどう^_^さんへ そう、思いっきり非日常…

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

京野なすけ

京野なすけ

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.