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カテゴリ:アジテーション
国立機関が発表した人口推計が話題になっている。
50年後に日本の人口が8千万人台になるという予測に、危機感を募らせた論評が目につく。 出生率が1.26のまま推移するとは思えない(もっと下がると思う)のだが、1近くの低位推計でも8千万人台はキープするらしい。 なーんだそれしか減らないのかと思うとがっかりである。 ローマ・クラブの「成長の限界」を持ち出すまでもなく、現在の地球の最大の問題は人口問題である。 人口が多く、しかも爆発的に増えているからこそ、環境破壊や資源枯渇といった問題が起きるのだ。 これらを解決するのには、何と言っても人口が減るのがベストであり、それ以外に根本的な解決策などありはしない。 このままでは100年しかもたない資源も人口が半分になれば200年もつし、人口が10分の1になれば1000年もつことになる。 人口が減ると、すばらしい世の中になる。広い土地、広い家にゆったりと暮らせるようになる。交通渋滞や通勤ラッシュは消滅する。 マグロ、カニ、ウニなど山海の珍味も手頃な値段で食べられるようになるだろう(笑) 牧畜や農業(有機農業を含む)は自然破壊の最たるものだが、その面積が縮小することで自然はよみがえる。 そもそも自然から逸脱した狂った存在である人間など、地球から消えてしまった方がいいのだ。 人間がいなくなれば、いじめから戦争にいたるあらゆるバカげたことが地球から消える。 ヤクザも珍走団もマフィアもカルト宗教も蛇頭もなくなってすがすがしい。 しかし、太陽の寿命でも尽きない限り、そう簡単に人類は滅びないだろう。 時間はかかるが、誰も何も傷つけずに、人類をゆっくりと消滅に向かわせる方法がただひとつだけある。 女性が子どもを産まないことだ。 故・千葉敦子は『ニュー・ウーマン』(1982年)の中で、「現在直面している問題の大半は過剰人口からきている」と指摘した上で、女性の生きがいを「子を産み育てる」という行為をのり越えたところに見いだして欲しいと言い、女性が子どもを産まないことによって社会に多大な貢献をすることができる、どうしても産みたい人は少なく産んで欲しいと述べている。 この意見には全面的にさんせいだ。 ギタリストで作家だった故・深沢七郎は「子どもを産むのは犯罪」(日経81年11月10日)と言ってる。人口過剰が「諸悪の根源」だとすると、たしかに子どもを産むのは犯罪的なことだ。 大竹愼一は『日経平均4000円時代が来る』の中で、家を持たず、子どもを大学に行かせないことが、日経平均4000円時代のサバイバルになるという主旨のことを述べている。しかし、これは結論としてはいかにも中途半端だと思う。 きっぱりと「家も子どもも持たないこと」と言い切ってしまった方がよい。子どもがいなければそもそも大学に行かせる必要がないからだ(笑) 日本は先進国で最も婚姻率が高く女性の有業率は低い。これは、戦後生まれの世代、特にウーマン・リブ世代と同じ「男女平等」の理念で成長した世代に、職業ではなく家庭に入ることを選択した人たちが多かったからだ。 世代として最もバカが多いのが、このいわゆる団塊の世代だということだ。 しかし、時代が進むと共にどんどん女性の有業率は上がり婚姻率は下がっている。出生率が低下するのはあたりまえであり、大正生まれの女性でさえ、高学歴・高収入な女性ほど晩婚もしくは非婚で子どももいないか少なかった。 札幌の女性の出生率は全国でも最低で、1を切っている。子どもを産まないことを選択する女性が最も多い都市に住んでいることを誇りに思う。 こういうわたしも、長い間、人間の成長にとって親になることは必要だと思っていた。 というのも、独身を通した叔父と、子どもを持たなかった叔母夫婦に、共通して欠落している部分があるのを感じていたからだ。 しかし、それは身近なサンプルがたまたまそうだったというだけだということに気づいたのである。人間的に立派な人の割合は、子どものいる人たちよりいない人たちの方が多い。 たいていの人は子育てに追われ、読書をする時間もないから無教養な人間になっていく。貧すれば鈍すで、人間的な感性まで干からびてしまうケースも多い。 教師だった母の「家庭訪問」の話から浮かび上がってくるのはそういう親たちばかりだった。 いまはさすがに非婚男女を奇異の目で見る人はいなくなったが、それでもまだ子どもを持たない女性を異端視する風潮は強い。 こうした風潮に対する最も有効な戦略は、極論を対置することだ。 すなわち、子どもを持つことを選択した人たちを犯罪者・キチガイ呼ばわりすることだ。 できてしまった子どもには、子どもを持つのは罪悪であることを教えるのが、親として最も重要な仕事だということをわからせる必要もある。 人口が減るまでには時間がかかるが、女性が子どもを産むのをやめれば、いじめや子どもの自殺、親の子殺しはすぐになくなる。 いわゆる途上国では非婚化と子どもを持たないことが女性の自立を促し経済発展のきっかけをつかむことになる。 破滅か繁栄かは女が子どもを産むかどうかにかかっている。 待っているのは食糧危機で人類が餓鬼のようになる地獄か、それともバラ色の未来か。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 26, 2006 03:12:23 PM
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