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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2005.05.14
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カテゴリ:洋画(欧米系)
といっても、クレオパトラの時代の話ではありません。
『猿の惑星』シリーズの話です。

以前の日記でも書きましたが、深夜テレビでは怖くて観れなかった『猿の惑星』シリーズの第4話と第5話を、まとめて観る機会を得ました。

『猿の惑星/征服』について。
『新・猿の惑星』の続編です。舞台は1991年。宇宙飛行士が持ち帰ったウイルスにより、8年前にすべての犬や猫は死に絶えていました。そこで人類が新たなペットとして開拓したのが…猿。ところが人類は猿を次第に労働者として、奴隷として扱うようになります。

映画の冒頭は、かつての黒人奴隷のように警官に小突き回される猿たちと、猿に掃除夫や給仕の職を奪われた市民のデモ行進を禁止する知事の放送シーンから始まります。

そこに闖入するのが、未来の地球から逃げ出してきたジーラとコーネリアスの息子(シーザー)です。彼が思わず群衆の前で「汚い人類め!」と吐いてしまったがためにサーカスを経営する「飼い主」のアーマンドは尋問を受ける身となり、シーザーもまた逃亡「奴隷」となります。競売でシーザーが知事に買われるシーンなどは、昔の黒人奴隷の人身売買かくもあらん、と思えるほどでした。

シーザーは仲間の「猿」のリーダーとなり、革命を扇動します。一時命の危険に陥ったこともありますが、その苦境を救ったのはかつての奴隷の子孫であり、知事の側近でもあるマクドナルドでした。

聡明なリーダーの下、猿たちは巧妙に人間たちの裏をかき、武器を取って警官や機動隊の包囲網を破っていきます。思わず感情移入して「殺せ! 殺せ!」とわめきそうになってしまったあたり、どうやら自分も「猿」の子孫なのかもしれません。ともあれ、革命はついに成功します。

クライマックスはまさに映画の終盤…シーザーと知事のやりとり、マクドナルドとシーザーのやりとり、そしてしゃべれないはずのチンパンジーのリザのたった一言、「やめて」のシーンでしょう。シーザーは人間の「悪」を引き継ぐことを拒否し、猿は人類の支配者となっても、人類は少なくとも猿の奴隷にはならない…ということが方向づけられた一瞬でもありました。

猿の惑星・征服


『最後の猿の惑星』について。
ティム・バートン版の『猿の惑星』は旧作映画の暗い色調とは異なり、この映画は異星における支配種族類人猿と、被支配種族人類との和解と共存の物語になっている…と書いたこともありますが、『最後の猿の惑星』を観ると、そのテーマはすでにここに描かれていたことがわかります。

冒頭は、27世紀の北アメリカ、生徒たちに授業をするオランウータンの教師の姿から始まります。しかし生徒たちの姿は巧妙に隠され、物語のシーンは、シーザーの物語の世界へとタイムスリップしていきます。

『新・猿の惑星』『猿の惑星/征服』のあらすじの紹介のあと、語られるストーリーは、まるでマトリョーシカのように学校のシーンから始まります。教師は白人の男性、そして生徒はチンパンジーやゴリラ、オランウータンたちです。

事件の発端は、マクドナルドの一言でした。核戦争で滅びた都市の地下に、シーザーの父と母の音声と映像の記録が残っている。それを見に行こうというのです。シーザーはこの提案に乗り、失われた都市で父と母の映像に再会します。しかし、そこには人猿戦争に敗れた敵対的な人類の生き残り(『続・猿の惑星』のミュータントは彼らの末裔であろう)がいました。追われるシーザーたち、尾行されるシーザーたち。

一方で、シーザーたちの町にも、危機が迫っていました。
ゴリラたちの反乱です。彼らは人間と友人になることを拒否し、虐殺するか奴隷にするかだ、そしていずれはシーザーも殺すのだ、と自分達だけの集会を開きます。偶然それを聞いてしまったシーザーの息子コーネリアスはゴリラたちに殺されてしまいます。

地下都市の人類と地上の猿達の戦いは、猿の勝利で終わりました。そして「猿は猿を殺さない」という禁忌を破った将軍アルトーは、それがためにシーザーに殺されてしまいます。「猿が人間と同じになった」瞬間です。そしてこのときから、人間と猿は共存共栄の道を踏み出したのでした。

ラストシーンは、再び27世紀のオランウータンの教師の講義から始まり、猿と人間が仲良く授業を受けているシーンに移り、最後に、白いシーザーの彫像が、涙を流している場面でエンディングを迎えます。

はたしてこの27世紀の地球は、あの戦慄の40世紀の地球に連なるのかどうか。
それは分かりませんが、映画の中に希望は残されています。「未来は選択することが出来る」とオランウータンの知識人、バージルは言っています。またSF的にいっても、一度未来からの干渉を受けた(『新・猿の惑星』)地球は、別の並行世界の歴史を辿るはずです。したがって、この『最後の猿の惑星』は、決して『猿の惑星』『続・猿の惑星』の地球に連なるものではないのだ、と考えたいと思います。

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Last updated  2005.05.31 15:17:08
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