星新一は小説家ではない。説話文学者である。氏のフィクションはほとんど人間の内面を書かず、外面的事件だけを述べる。その語り口と内容は、SF的思考に慣れてしまった読者にとってあるいは物足りないかもしれない。
不具も、氏のフィクション作品をフレドリック・ブラウンやロバート・シェクリィの短編集と一緒にとうの昔に手放してしまった。物足りないとこそ思わないが、図書館から借りるならともかく今更買ってまで読む気もしない。現在手元にあるのは『人民は弱し 官吏は強し』などのノンフィクションだけである。
それでも不具は、氏の<千夜一夜物語>はSFの形を借りた現代の説話文学として当面の間新しい読者を獲得し続けるだろう、と確信している。
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Last updated
2007.01.08 13:11:17
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