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カテゴリ:エドガー・ライス・バロウズ
ターザンと名乗る男がさる令嬢を盗み出した…がそれは別人で――記憶喪失とターザンの偽者、欲に目がくらんで自滅する悪党という十八番がまたもや登場するバロウズの死後発見された原稿。
ところでクランプって誰だったっけ。 「ライオンが神の創造物を食べるのが悪いことなのに、きみが同じことをするのは正しいというその根拠は?」 「あるわ。あの女の人は、人間だったのよ」 「あの女は残酷な食人種、きみが食べる小鹿は無邪気でおとなしい。だから、どちらが悪いか考えれば、きみの方に決まってるよ」 「野獣は欲に動かされたりしないし、復讐心にかりたてられることもほとんどない。やつらは人間よりも大きな尊厳さを持っている。やつらは自己防衛や食物を求める時しか殺さない。嘘もつかないし、だましもしない。仲間には忠節をつくす」 「連中を征服したら、戦う相手がいなくなり、人生は実につまらなくなってしまう」 「おれは恐れてなんかいない。恐れていたら、ここには来なかっただろう」 「一般の連中というものは、迷信を通して支配するのがもっとも容易だからだ。それが彼ら自身のためでもあるし、神をもてることは福音だからね。何をなすべきか教えてくれる神を人々は信仰するのさ」 「僕がしたことは死に値するよ。それでもあの人を救い出すために、生きていたいんだ」 「民衆は、戦争に勝つ王を好む」 「君が靴で毒蜘蛛を踏み潰しても殺人とは言わないだろう。俺にとってこの男はその毒蜘蛛なんだ」 「きみは文明人と話しているんじゃないんだぜ」 「ああ、どうやら心配していた通りらしいな」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.10 11:27:52
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