もし人間が骨の髄まで合理的にできていたら、誰も小説など読まないだろう。天国に悪魔がいるからあの世は人間的なのだ。疑う者はブラウン調の「エル氏の最期」を見よ。
相変わらずコントやミステリーが多く、二番煎じのようなアイディアも散見されるなかで、「ピーターパンの島」はエスプリが利いている。「薄暗い星で」にはロボットの臨終が簡潔に描かれ、「帰路」はペーソスに満ちた短編。失明した宇宙飛行士が向かう地球は天国か地獄か。「この世だよ」と星さんからハガキが来た。送り主の住所は「悪魔のいる天国」となっていた。
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Last updated
2009.08.22 15:55:50
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