タイトルに相応しく、超自然的存在や超自然的現象を扱ったものが多い。表題作は自分に向けられた
「肩の上の秘書」とでもいうべき作品で、地球人をおだててだらしなくさせるために宇宙人が送り込んだものらしい。そのことに気付いたのはある耳の不自由な老人だったが、彼にも事態を打開するために行動する気力はなかった。…
「ある戦い」は特攻隊を逆手にとった落ちの中に、もうひとつ落ちがあったという二重構造の作品。「銀色のボンベ」は病院における生と死を扱った詩的な掌編。「友だち」は読書を愛するすべての人に。
けれど集中一番の傑作は
「ひとつの装置」だろう。核戦争と人類への挽歌といえば、…ああもう語りすぎてしまった。