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カテゴリ:ユートピア・反ユートピア小説
タイトルはシェイクスピアの『テンペスト』から。「野蛮な」外国からきたイギリスにきたジョンが目にしたのは、人工授精と乱交と麻薬天国の退廃的な痴者の楽園だった。なるほど平和的ではある…(生まれてすぐに洗脳教育を施された子供は自分が洗脳されたことにも気がつかない)ヒッピーくずれなら礼賛するかも知れぬ、だが「文明」に毒されていないジョン君はそれに耐えられず…というお話。構図的には『恋人たち』のちょうど逆である。
結末は『1984年』と同じく陰惨だ。ただ、あちらが「真っ白な」恐怖で終わるのに対し、こちらにはまだ救いがある。「文明」はそれ自体自己完結的であるがゆえに、「野蛮」な地域を征服しようなどという野望はなく、ハックスレーの意図はどうあれ、「野蛮」国にこそ救いがあるからだ。 不具はもちろん、麻薬よりシェイクスピアの方を採る。 すばらしい新世界 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.04.11 12:53:44
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