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カテゴリ:海外文学
異色作家短篇集20。
「容疑者不明」ナギーブ・マフフーズ エジプトのノーベル賞作家。代表作は『バイナル・カスライン』など。本作は連続殺人事件を扱っているが、結末はバラードの短編に似ている。 「奇妙な考古学」ヨゼフ・シュクヴォレツキー チェコの作家。『ノックス氏に捧げる10の犯罪』など。地獄の沙汰も金次第、か。 「トリニティ・カレッジに逃げた猫」ロバートソン・ディヴィス イギリスに留学したカナダの作家。『フランケンシュタイン』のパロディでもある。『五番目の男』が邦訳。 「オレンジ・ブランデーをつくる男たち」オラシオ・キローガ アルコール依存症による幻覚から実の娘を死に至らしめた父親。ウルグアイの作家。 「トロイの馬」レイモン・クノー 『地下鉄のザジ』の作者による口をきく馬の登場する奇妙な短篇。 「死んだバイオリン弾き」アイザック・バシェヴィス・シンガー ユダヤ系ポーランド人ノーベル賞作家。結婚に失敗した娘に悪霊がとりついた話。ダニエル・キイスならこの事例を多重人格障害のヴァリエーションのひとつとして処理するだろうか? 「ジョヴァンニとその妻」トンマーゾ・ランドルフィ 音痴だと気づかない夫の唯一の讃美者は妻だった。その妻も亡くなり… イタリアの作家。トンマな名前だが『カフカの父親』『月ノ石』が邦訳されている。 「セクシードール」李昴(リー・アン) 台湾の作家。かつて富士見書房文庫から出ていたエロティック・ファンタジー『鏡の国のアリス』を思い出した。 「金歯」ジャン・レイ ベルギーの作家。『マルペルチュイ』『ウィスキー奇譚集』『幽霊の書』など。本作は死体から金歯を抜いてお金に換える男の一人称小説。仕事はうまくいっていたのだが、ある日を境に急に出し抜かれ…同業の女性と結婚する破目に。 「誕生祝い」エリック・マコーマック 究極のマゾヒズム、あるいは胎内回帰小説。スコットランド出身。『隠し部屋を査察して』『パラダイス・モーテル』など。 「エソルド座の怪人」G・カブレラ=インファンテ 『オペラ座の怪人』からの引用多数。ケチな詐欺に引っかかったという噺だが、そのオチは…。 キューバの作家。『亡き王子のためのハバーナ』『煙に巻かれて』など。 【中古】 エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇 異色作家短篇集20/若島正【編】 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.01.23 22:41:55
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