「この本を、わたしの息子と三人の娘を含めた、
もう子どもとはいえないまでも、まだ大人になりきってはいない時期の、長くそして困難な変身の道を通りぬけようとしているすべての若い人々に、愛情と共感をもって捧げる」
このような献辞がある本を児童文学の範疇に入れることに躊躇を覚える。今風に言えばヤングアダルト向けショートストーリーズというところか。収録作は7編。
「動物と話をした少年」
少年は、海ガメと一緒に竜宮城へ行ったのだろうか。
「ヒッチ＝ハイカー」
乗っけたハイカーに乗せられて、警察の尋問を受け、そのハイカーに助けられる。彼の職業は実は…
「ミルデンホールの宝物」
事実は小説よりも奇なり。「悪銭」身に付かず。
「白鳥」
白鳥の真似をさせられたいじめられっ子の話。
「ヘンリー・シュガーのわくわくする話」
透視能力を得てカジノで荒稼ぎし、孤児院につぎ込んだ男の半生。
「一休み」
余は如何にして作家となりし乎。
「お茶の子さいさい」
著者の処女作。
『飛行士たちの話』に、「簡単な任務」として収録。敵機に通じなかった飛行士のユーモア。
しかし…
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