|
カテゴリ:徒然日記
田舎の夜は早い。終バスも早い。病院に倚った還り、年配の女性に声を掛けられた。お見舞いの帰りで、家に帰りたいのだが、乗せてっていただけないか、と頼まれる。声はよく通るししっかりしているが、どことなく幼い感じもした。免許も返納し、一人暮らしなのだという。
まあいいや、と思って乗せた。ちょうど母ぐらいの歳だったせいかもしれない。方角は少々ずれるが、勝手知ったる道だ。生まれてはじめてのヒッチハイク(された)だった。 老婆はしきりにすまなそうに話をするので、適当に相槌を打つ。冷たすぎないように、入れ込みすぎないように、淡々と。タクシー代は勿論取らなかった。受け取っていたら、落葉に変わっていたかもしれない。相手も最後まで尻尾を見せなかった。けだものとしての礼儀だったのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.11.25 20:26:35
コメント(0) | コメントを書く |