『職人』気質・・・
毎日、日記を書くつもりが初日から挫折しました。昨日の分ですが・・・仕事で電子モーター(注1)をミシンに取り付けに行ったのですがこのお客さん、いわゆる靴の‘職人,さんなんですが、人相風体や言葉づかい、ファッションも黒・赤・金とまるで古典的マル暴で、ちょっと怖い感じなんです。ところが、この人、何をしているかというと永年やってきた靴のメーカーからの取り仕事をやめて、家族とオーダーの靴やカバンを作って販売する工房をやっているんです。宣伝はぜんぜんしなくて、すべて口コミだそうで、外反母趾の人など、けっこう地方から聞きつけてきた人がオーダーしていくそうです。「こんな特殊なオーダー製品を作っているのに値段が安すぎる!」と私が指摘しました。私が知っているかぎりこの手のオーダー靴は¥30,000以上が常識だったからです。高く売れるという発想より材料代、手間などの積み上げで価格設定してしまう、いじらしい職人本能が見て取れます。商業ペースにならないのは、いや、なれないから、やっぱり職人さんなんだなぁ。と妙に納得してしまいました。こんな生真面目な職人さんを日本はもっと大事にしないといけないと思いながら帰途につきました。(注1)電子モーター:従来の工業用ミシンにはクラッチモーターという 動力源が普通でしたが、マニュアル車のようなもので、スピード 調節が慣れるまで大変時間がかかります。 電子モーターは速度調節がオートマティック車のように楽なので 素人の作業者でも縫製そのものに集中できるメリットがあります。