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ワインヲタ入門生のチラシの裏

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2017年05月30日
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益々勢いを増す日本ワインですが、国内では稀な石灰土壌の畑を持ち注目度も高まっている新見のtettaさん。自社ワイナリーも完成し、domaine tettaとして昨年再スタートされました。
そして、自社醸造のワインがついにリリース。今後ますます楽しみな存在です。

さて、そんなdomaine tettaさんの自社ワイナリーは、醸造設備だけでなく広いテイスティングルームや屋上などもある、モダンで、訪れてもらう事を意図した造りとなっています。
そして今回、そのdomaine tettaさんのワイナリーを会場に、新潟のカーヴドッチさんを招いてのワインイベント、Vin Voyageが開催されましたので、参加させて頂きました!

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岡山駅からシャトルバスで新見のtettaまで。時間は2時間程度でした。こちらにお邪魔するなら、やはり先ずはパンダにご挨拶を。畑を整備するときに土地を掘っていたら出てきたというこのパンダ、それが今やワイナリーの顔として新たな役目を得ています。
奥に見える青いバスが今回のシャトルバスで、その左手、コンクリート打ちっぱなしの建物がワイナリーです。

  • KIMG2317.JPG

勿論、しっかりした看板もあります。

  • KIMG2318.JPG

ワイナリー入口で受付を済ませて中へ。イベント会場はワイナリーの屋上になります。
入り口のこれ、薄暮の時間という事で光っていたのですが、成程、ワイナリー建設段階から夜にイベントをされることを意図されていたのかなと。
イベント会場はワイナリー屋上テラスです。この時期は屋外イベントにぴったりですね。

  • KIMG2323.JPG

席に着きますと、カトラリーやdomaine tettaのロゴ入りグラス、それに乾杯用の泡と前菜用のワインが用意されていました。ワインは全てカーブ・ドッチのもので、泡がむささび、白がもぐら、赤とロゼの中間のようなものがあなぐまです。
カトラリーは、新潟・燕三条にあるステンレス加工で有名な大泉物産さんがこの日の為にご用意くださったものでした。
また、大泉物産の社長さんのご紹介の際、このカトラリー、参加者一人一人違う形状になっているとのお話があり、周りの席の方と見比べたりすることで、今回初めてお会いした方や、以前お会いしたことがあるかも…、というような方々とお話させて頂くいいきっかけにもなりました。

  • KIMG2327.JPG

今回は、domaine tettaから4種類、カーヴ・ドッチから4種類、計8種類のワインを頂けました。お料理は、岡山のレオーニさん、新潟・燕三条のuozenさんという、岡山と新潟のフレンチレストラン2軒が、それぞれの土地の食材を使ったものをご用意くださいました。勿論、岡山の料理と岡山のワイン、新潟の料理と新潟のワインのペアリングです!

乾杯のはむささび2015で。
ワインメーカーの掛川さんが趣味に走ったという、自然派な作りをしているどうぶつシリーズですが、その中のブラン・ド・ノワールの泡になります。
使われているブドウはなんとカベルネ・ソーヴィニヨン。そこに、1割だけシャルドネを使っているそうです。早いタイミングでは、やや還元的なニュアンスもありましたが、時間と共にそれも薄れ、リンゴっぽさを軸に、酵母や香ばしさ、白い花などが感じられました。味わいは柔らかな果実味がありつつも辛口。少し硬質な質感があり、泡は穏やかですが弱い印象はありませんでした。

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1品目のお料理はuozenさんの新潟のものです。左が、佐渡産マダラのブランダード。一口サイズのコロッケ風でお出し頂くというのが面白かったです。外のカリッとサクッと感、中の丁度いい舌触りのペースト感が非常にいい対比でしたし、旨みもバッチリ。
右は新潟ジビエ、佐渡コシヒカリのチップ、ガンジー牛乳の自家製リコッタです。ジビエは山椒風味で何処か佃煮のような味わいを楽しめました。ガンジー牛乳とは、イギリス海峡のガンジー島という島の牛のミルクになりますが、新潟にはその牛を育てている牧場があるようです。

これに合わせたのがもぐらあなぐま
もぐらはシャルドネ100%の白ですが、成程、パイナップル的な果実香に控え目な酸とまったりしたミネラル感は、浜のシャルドネだなあという印象。
あまぐまはなんとサンジョベーゼです。赤いフルーツ、赤い花、スパイスといったもののの奥にピングレープフルーツ的な雰囲気も見える香りと、これまたやはりまったりした飲み口に、柔らかな果実味、後口にかけての軽い苦味が心地よいワインでした。

今回どのマリアージュも興味深かったですが、個人的に一番だったのはこのあなぐまと新潟ジビエの組み合わせ。新潟ジビエの山椒の香りが、ワインのスパイシーさに驚くほど嵌り、さらにちょっと甘味のある香りや味わいは、ワインの果実感に合い、それらが相まって実に華やかな味わいと香りの広がりを見せてくれました。

  • KIMG2330.JPG

2品目はレオーニさん。丸いものは吉田牧場のカチョカバロ、オリーブ、ひよこ豆のパニス。こちらも一口サイズなお料理で、何とブドウの枝で頂くというものでした。まろやかさと直球の旨みを堪能できました。
緑のものは瀬戸内海産サザエ、ニシ貝、岡山和牛の肉カス、枝豆、パセリ。サザエやニシ貝、枝豆の食感、香りがうれしい一皿でしたが、なるほど、肉カスの旨み効いてたかも。
なお、器は一陽窯さんの備前焼です。カトラリーが新潟なら、器は備前焼ですね。

これには、domaine tettaのシャルドネロゼを合わせました。どちらも自社醸造の新ヴィンテージで、酸化防止剤も控え、野生酵母での醗酵を行う自然派な作りとなりました。
シャルドネは、濾過もかなり荒いフィルターでやっただけという事で少しにごりが。香りも、柑橘やパイナップルといったもの以上に、酵母感や白い花のニュアンスが。ただ、時間経過でフルーツ感少し増してきました。味わいも旨みの強いもので、果実や酸は繊細乍らバランス良好。
ロゼは、ベーリーAに少量のシャルドネを加えたものだそう。ベーリーAらしいフルーティな香りがありつつ、より赤いフルーツに振れた感じの印象も。しなやかなボディに、ベーリーAらしい果実味と、明るい酸が印象的で、かなり好感度の高いワインでした。

ここでの組み合わせで面白かったのは、瀬戸内の貝類に、tettaシャルドネと、少し残しておいたもぐらの両方を合わせたところ、何だかんだtettaシャルドネの方が相性が良かったことです。もぐらのまったり感が合うかなと思いきや、tettaのしっかりした旨みが貝の旨みを際立たせますし、食感も、tettaのシュッとした質感の方がより馴染みやすい感じでした。何だかんだ、やはり地のもの同士というのは手堅いという事なのでしょうね。

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続いては新潟。佐渡産アワビ、三条産天然山ウド、津南産ホワイトアスパラガス 青ノリコンソメ、自家菜園のアサツキの花です。アワビの食感や香り、旨み、それにウドのしゃきっと感、ホワイトアスパラの甘みを、青海苔のコンソメの旨みがよく纏めてくれました。

ここで登場したのがカーヴ・ドッチのアルバリーニョ
カーヴ・ドッチやフェルミエで造られ、日本の砂地での可能性を見せてくれているアルバリーニョですが、柑橘を軸に白い花等が感じられる華やかな香り、果実味の目鼻立ちのはっきりした、しかし、海のミネラルを感じる味わいで、流石のワインでした。周囲からも、このワインがよかったという声はよく聞かれましたね。

これとアワビですから、組み合わせとしては間違いないですね。また、アワビの味わいに青海苔コンソメの旨みや香りが加わると、さらに料理とワインの共通項が増えるような感じでしたし、ウドやホワイトアスパラの甘みと果実味の相性も鉄板ですね。
あと、tettaシャルドネを少し残しておいたので、ホワイトアスパラと合わせてみますと、アスパラの甘みがワインの果実味を引き上げてくれますし、青海苔コンソメの旨み、ワインの旨みと相まっていい組み合わせに。地のもの同士もいいですが、それだけではないのがマリアージュの楽しいところです。

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ならば当然、次は岡山。瀬戸内海産アナゴ、ケベック産フォアグラ、トレビス、ナスになります。アナゴはふっくらと、しかし食感と旨みのある味わいで、ソースは甘みと黒さのあるもの。ちょっとタレを思わせますね。そこに、フォアグラの塩分とコクが加わります。このソース、フォアグラにもバッチリ。一度フォアグラをアナゴやウナギなんかのテレで食べてみたくなりました^^;

合せたのは、tettaピノ・ノワール
遂に登場したtettaのピノです。まだ若いという事でか、紫感のある色合いで、香りにはちょっと巨峰的な香りも。他には、やはりベリーフルーツなどがありますが、ちょっと色の黒いタイプのニュアンスも見えたでしょうか。味わいは、シュッとした酸と穏やかな果実味、それに柔らかなボディながら芯のある質感が印象的でした。

料理との相性は、正直これまでのものを考えますとそこまでマリアージュ!と言う感じではありませんでした。ただ、アナゴやソース、フォアグラのしっかりした味わいを、結構受け止め切ってくれているのには驚きました。

  • KIMG2341.JPG

新潟岡山が交互に来ています、という事で、こちらは新潟の食材です。越乃黄金豚肩ロース、自家菜園の新玉葱、三条産天然セリ、魚沼産蕎麦米、佐渡産おけさ柿になります。肩ロースの旨みと、ソースのこれまたちょっと甘味のある味わい、そこに、おけさ柿の香りと甘み、コクが加わると、もうこれだけで見事なマリアージュに。

これに合わせたのは、カーヴ・ドッチのBijou ピノ・ノワールです。岡山と新潟のピノ飲み比べになりました。
こちらのピノは…ピノです。当たり前なわけですが、赤ベリーを軸にチェリーなどが感じられるフルーツ感、下草、黒い土などの湿ったニュアンスは、まさにピノ・ノワールでイメージされるそれ。ボディこそ繊細で日本ワインだなと言う感じですが、果実味もあり、やはり穏やかではありますがキッチリ酸もあり、ちょっと驚きでした。

料理との相性は、肉単体よりも、上記の様にソースや柿と合わせた味わいと香りに馴染みました。特に、柿が加わると香りの相性はグッと深まったように感じられました。

大分長くなりますので続きます

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最終更新日  2017年06月02日 16時59分11秒
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