カテゴリ:美術館・画廊メモ
きょう6時半までですが、銀座三丁目 Niche Galleryの仙石裕美(せんごく・ひろみ)作品は、見る者をのけぞらせるパワーがあります。
「明日はもっと遠くまで、次の日はさらにその向こうまで」 このデカい作品を前にすると「やられたァ!」感がぐいぐい来る。手前の2本の脚、とくに右足の裏まで見せる構図、よくぞ思い切ったものです。この手前の2本の脚がなければ、エデンの園のような光景は何千人もが描いてきたかもしれません。(なお、絵の中心部が陽光を反射する水面のように輝いていますが、これは撮影時の光線の加減によるもので、実際の絵では草っ原の連続となっています。) 「林檎は落下するが月は空をまわり続け、そして我々は引き合っている」 こちらはシェル美術賞展で本江邦夫審査員奨励賞をとった作品で、Niche Gallery個展では展示されていませんが、これまた意表をつく構図。 ひょっとして、野原の男女を普通に描いて、展示するときだけ上下を逆にしたのでしょうか。ためしにPC画面で上下逆にしてみましょう。 「林檎は落下するが月は空をまわり続け、そして我々は引き合っている」(上下を逆に) 微妙な不安定が感じられます。まるで重力が上に向っているかのような。どこにそれが感じられるのか、自分の脳反応がうまく分析できません。この作品、すごい! 仙石さんの描く人体は一見して写実ですが、じつはあくまでフォルムとしての肉体であって、表面の意匠は二の次です。だから意匠を削ぎ落した裸身なのであり、そういう裸身だからエロティシズムを感じさせない。純粋フォルムとしての肉体です。 それを如実に示す作品がこちら。 「鳥になる」 フォルムとしての純粋肉体が、あらためて意匠を身にまとうと…… 「虹になる」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 27, 2014 12:28:48 PM
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