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カテゴリ:ヤング・マイロン
マイロンが「キョン先生はヘイウッドの魔術を手に入れたのですか?」と聞くとキョンは静かに言った。
「一部ですが手がかりが分かりかけています。これは大して魔術の能力がなかったゲオルグがあれほどまでヘイウッドの魔術を駆使できることと関係がありそうです。」 そう言ってキョンはこの様な説明をした。 彼女がマイロンの住む長屋に住んでいた頃、ゲオルグが巻き起こす病害を防ぐ手立てを練る傍ら、密かにヘイウッドの魔術に関しても調べていた。そしてある古文から恐るべきことを知った。その古文にはヘイウッド原理魔術を統括するザンガード寺院の僧侶たちが中心になって世界を支配する魔術を研究していたが、これを察知した当時の周辺諸国の連合軍が総攻撃をかけてどうにかヘイウッドを滅ぼすことに成功した。そして連合軍が寺院を取り囲んだ時に、追い詰められた僧侶たちは寺院の地下にある秘密の部屋に逃げ延びた。しかし、ここもやがて連合軍の手に落ちる事を覚悟した僧侶たちは中でも最も霊的な能力の高い一人の僧に自分たちの気をすべて移してその場に果てた。 残ったその僧は自らを零体化してそこにあったヘイウッド原理魔術の象徴である一体の像に乗り移り肉体は果てた。 「いつかその像を手にした者が、ヘイウッドの原理魔術を復活させるのに十分な力を有する時、霊はその者の体を乗っ取り、魔術の力で世に再びヘイウッドを復興させる。」 と言い残して。 「という事はゲオルグがその像を手に入れたということですか?魔術ではさほど力を持たないゲオルグだったが、ヘイウッド原理魔術を復興させるのには十分な力はあったということですか?」 レーオは唾を飲み込みながらキョンに尋ねた。 キョンは静かにうなずいた。 「キョン先生。ではその像をゲオルグから奪えばゲオルグは力を失うのでしょうか?」 マイロンの問いにキョンは首を横に振った。 「いいえ、象はすでに空っぽの人形に過ぎません。ただ、ゲオルグの身に危険が及び、万一死を迎える時、その霊は元の像の中に逃げ込んでしまうでしょう。そしてまた新たな機会を待つ事になります。だから、霊がゲオルグの体の中に留まったまま彼を滅ぼさなければなりません。」 「霊が像に戻った時に像を破壊するのではいけないのですか?」 マイロンが聞くと、 「象には元々命はありません。それを破壊したところで霊はさまよい出て別の何かに乗り移ります。しかし生体にとりついた霊はその生体に引きずられたまま霊としての能力を失うのです。」 キョンは言った。 「でも、それならその像でなくともゲオルグからいつでも別の何かに乗り移れるではありませんか?」 レーオが疑問に思い尋ねると、キョンは言った。 「それはそうです。しかし、その像には霊体が長い間そこに留まれる様な特別な仕掛けが施されていると思われます。だから、ゲオルグにとりついた霊は必ずその像に戻るはずです。生体以外の物にとりついた場合、普通は次第に薄れそのまま煙の様にかき消されてしまうものなのです。」 マイロンは決意するように言った。 「では霊がゲオルグの体にいる間に、まずは像を破壊し、それからゲオルグともども滅ぼすしかないのですね?」 キョンはうなずき言った。 「乗り移るものが身動きをしなければ、十分ほどで乗り移られると言われています。」 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「憑依」で3,270件ヒット。 ブギーマン。ジェイソンみたいに不死身の不気味さがある。
この表紙こそこわーい。
本当にあった・・・・とか書くと売れるんだろうな?
名前からするとコミックなのかスリラーなのかアクションなのかわからない。
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