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カテゴリ:ヤング・マイロン
「やあアズキン元気か?今度は随分お手柄だったようだな?」
レーオのおどけた会話にアズキンも思わずにやりとして答えた。 「レーオたちもキョン様に出会うなんて、本当に俺たちはなんかの縁で結ばれているとしか思えないなあ。」 「サクランどうしてる?お父さんの事が心配だと思うけど、これを片付ければジャウカンから卵がもらえるからもう少しの辛抱だよ。」 マイロンの言葉にサクランも答えた。 「分かってる。私の大事な父さんだけど、この国の人がこんなに苦しんでいるのですもの、父さんもきっと分かってくれると思うわ。」 先ほどから四人は響き石を使って、この国の東と西の端同士で会話をしていた。 「マイロン初めましてネコファムよ。」 「ああ、ネコファム様?」 「ネコファムでいいわよ。私は堅苦しいのは嫌いだから。」 「キョン先生もそう言うけど、昔からキョン先生と呼んでいるから今更そんな事言われても無理ですよ。」 マイロンは困って訴えた。 「まあそうかも知れないけど、好きに呼んでちょうだい。」 「姉上?そんな事無理強いしても仕方ないでしょ?」 そう言ったのは同じく響き石を聴いているナスコボスだった。 「ナスコボスさん?俺アズキンと言います。シモン将軍もそこにおられるのですか?」 「ああ、いるとも。君がアズキン君だね?よくやってくれた。」 「い、い、いえ。お、お、俺、武術の修行をしています。是非お会いしたいです。」 珍しくアズキンは武術の達人シモンに対してシドロモドロになりながら答えた。 「みんな、これからの手筈はいいわね?ナスコボス、よくやりましたね。あなたは頃合いを見てその山から皆さんを安全に下山させること。私はこれからマイロンたちと東のヘイウッド遺跡に向かいます。あなたもそこで落ち合いましょう。ネコファムはそれまでにヘイウッドの秘密を少しでも多く解き明かすこと。いいわね?セブルス家のアラン卿も全面的に支援して下さるから、準備が整ったら一斉に作戦を開始しましょう。」 キョンは手早く指示した。 「キョンさ....、さん。」 そう呼びかけたのはアズキンだった。 「その時はバンブーのゲコクさんやクロンたちにも連絡を取って協力してもらいましょう。」 「そうですね?いずれ彼らにも連絡を取らなくてはね?それでは今日はこれくらいにしましょう。」 そう言ってキョンは響き石を無共鳴箱の中に納めた。 そのころ、ウィンラッド城の一室でゲオルグは不可解な現象に眉をひそめていた。先ほどから彼の響き石が小刻みに振動しているのだ。響き石は元々一つの石が分かれた場合、二、三年はお互いで声を伝え合う事が出来きるのだが、それを使っている間、別の響き石にも若干の影響はある。 「おかしい。誰かが他の響き石を使っているのだろうか?響き石は私と影の使いの者しか持っていないはずなのだが。」 彼はひとまず影の使いにこの事について調べさせることにした。影の使いがその石を更に割って使っている可能性もあるからだ。もちろんこれは絶対にしてはならない定めだった。 なぜなら彼と他の使者との会話が盗み聞きされてしまうからだ。だから彼と使者とは一対一でそれぞれ響き石を使っているのだ。だから使者同士が連絡を取り合うことはできない。もしかすると使者の誰かが殺され響き石を奪われたか、さもなければ誰か別の者がこのヘイウッド原理魔術の成果の一つである響き石を手に入れた可能性もある。 彼は無共鳴箱に納めた六個の響き石を眺めた。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「響き 石 会話」で3件ヒット。 アーティストが大石真理恵、小椋佳で、「木(マリンバ)の響きに包まれてどうぞごゆっくりという意味と、私と小椋さんお互いの“Time”を感じながら、2人の会話の様に音を紡いでいく楽しさを表現したいという思いから、このタイトルを付けました」 で確かに。 でも「響き石の会話」があるわけがない。
響きは重厚 四角い石だかコンクリートだか鉄だかを組み合わせたみたいな音楽なのだ 繊細な木管楽器の会話 この解説に含まれていた。
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