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カテゴリ:ヤング・マイロン
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我が敬愛するコータッツ王様 私は悪漢アクダイに反抗する組織バンブーを率いるゲコクといい、かつて王よりご慈悲を頂いた者です。 今日は我々の一員の者を遣わし、王のおられる場所を探らせました。今回は残念ながらお助けする事はできませんが、彼らの持ち帰った情報からコータッツ王救出作戦を立てるとともに、アクダイ打倒計画を実行に移す所存です。 それまで、もうしばらくご辛抱をお願い申し上げます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ コータッツはアクダイにこの手紙が見つからないようにサビレ蟹の甲羅を粉々に砕きながら、ゲコクという名前を必死に思い出そうとした。 「ゲコク、ゲコク、ゲコク?はてゲコクとは誰であったかのう?どこか聞き覚えのある名前なのじゃが思い出せぬ。わしが彼を救った?」 コータッツはどうしても思い出せない、しかしどこかで聞いた事のある名前を心の中で何度も繰り返しながら、サビレ蟹の甲羅を更に細かくすり潰した。 こうして彼は甲羅についた蟹料理の油と混ぜ合わせ、先ほどから竹で作っていた人形の頭を作って可愛らしい竹の人形を完成させた。 しばらくすると再び重い鉄扉がゴゴゴッと重たい響きと共に開いた。外から入って来た兵士はまた大柄の兵士であり、その後から入って来たのもいつもの無愛想な黒猫の女だった。 「今日の料理は格別にうまかったぞ。」 コータッツはそう言って給仕に語りかけたが、彼女はフンと黙って何も答えようとはしなかった。 「おや?あんた蟹の甲羅まで食べちまったのかい?」 代わりに彼女はひどくぞんざいな言葉遣いで聞いた。 「おお、蟹の甲羅かい?サビレ蟹の甲羅はほれこの人形の頭を作るのに使わせてもらったよ。お嬢さんこの人形を差し上げようか?」 「フン、何よそんなもの。汚い。いるもんですか。」 彼女はそう言い捨てるとそそくさと盆を抱えて部屋から出て行き、兵士も無言で部屋を後にすると乱暴に鉄扉を閉じた。 「いいのかのお?この人形を取り上げなくて。」 そう言いながらコータッツは竹で出来た人形を意味ありげに彼の粗末なベッドのまくら元に飾った。 「おお!そうじゃ!あの時の子供じゃ。わしがまだ王を継いだばかりの頃に町を見回っている時、雑貨屋から人形を持って飛び出してきた男の子じゃ。その子は追って来た店主に目の前で組伏せられたが、事情を聴くと病気の妹にやりたいから盗んだと言っておった。そこでわしが買い与え、だが二度とこのような事はするなと忠告してやったのだが、そこの店主が叫んだのを思い出したぞ。店主は『ゲコク、今日は王様に免じて許してやるが二度と来るんじゃねえぞ。今度来たら四の五の言う前にたたき出すぞ!』と言ったのじゃ。」 コータッツは枕元に置いた竹人形に目を落とした。 「ゲコク。そうかあの時の子がのう。」 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「竹人形」で210件ヒット。 まずは越前竹人形
次は内田康夫の竹人形殺人事件ってどんな殺人だろう?竹人形が殺人?まさか。
今度は徳島竹人形。
ううん、なかなか妖艶。
へええ、これって映画にもなっているんだ?
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