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カテゴリ:ヤング・マイロン
「キョン先生、これは一体なんでしょう?」
マイロンは祭壇のそばにあった白い粉を指先でこすりながら言った。 キョンはマイロンの言葉に歩み寄り、しゃがむとその粉をじっと見つめた。 「私にもよくわかりませんが、何かの儀式に利用したのかしら?」 彼女はそういうとネコファムを呼んだ。 「ネコファム、これは何の粉だと思います?」 ネコファムも首をかしげるだけで見当がつかない様子だった。 マイロンたちが調べているのは、さほど広くはないザンガード寺院の秘密の部屋である。 五百年前、周辺諸国の連合軍に包囲され観念した僧侶たちは一人の僧に自らの気を移して果てて行った。 その亡骸は部屋のあちこちに当時のまま横たわり朽ち果てていた。 僧侶たちにとっては幸いなことに、この部屋は連合軍に発見されること無く五百年の歳月だけが静かに流れたのであろう。 最後に残った僧侶は自らを零体化して一体の像に乗り移り、やがてここを訪れる者にいくばくかの法力がありさえすれば、その体に乗り移りヘイウッド原理魔術を復活させ、ヘイウッドを復興させるべく長い眠りについたのだ。 そしてゲオルグは自らやって来たのか、何かに導かれてやって来たのか、この部屋まで来るとその身をその霊体に捧げたのである。 その霊体の主、最後に残った僧侶の名は『ゾーゲン』。 マイロンが発見した白い粉は、調べてみると秘密の部屋の祭壇の周りの数か所に見つかった。祭壇を取り囲むように盛られていたのであろう。 「こらリーデこっちに来るんじゃない。ここは僕の陣地なんだから。」 「あら、そんな線を引っ張っただけでどうしてニルルの陣地と言えるの?」 「だって僕が・・・・」 「あなたたち!静かになさい!みんなが一生懸命考えているのよ。」 幼い妹弟はすっかり飽きてしまい、部屋の片隅で遊び始め、騒ぎ出したのでレナカは鋭い声で一喝した。 二人はいままでの勢いはどこへやら、抱き合って姉の怖い顔を見つめた。 サクランは微笑ましく二人を見つめたが不意にある事を思い立った。 「ねえマイロン?もしかしてその粉は魔術が外に漏れないようにするとか、逆に魔術を強めるために撒いたんじゃないのかしら?」 マイロンは怪訝な顔でサクランの顔を見つめたが、おもむろに床を這いずり始めた。 「どうしたんだマイロン?」 アズキンはマイロンの不思議な行動に思わず問いかけた。彼は母親をマイロンに救われたとは言え、マイロンはどことなく理解できない部分があると常々思っていた。 みんなもマイロンの不思議な行動を唖然と見守るだけだった。 マイロンはしばらく床を這いずりまわり、やがてちょこんと床に座り込むと今度は天井を見上げて何かを考えているようだった。 「どうしたんだ、マイロ・・・」 とミーシェが言いかけた時、マイロンの顔色にみるみる赤みが射しいきなり飛び起きた。 「やっぱりそうだ!」 みんなの驚く顔を意にも介さずマイロンはしゃべり始めた。 「この粉は魔術をここから外に漏らさないようにしたんだ。粉で囲われた円の内側と外側で床も天井も色が少し違っているもの。」 みんなは驚いて自分たちの足元を見まわしたが、色の違いが分からずお互いの顔を見合わせるばかりであった。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「魔法 白い粉」で見事56件ヒット。 多分こんなのはあるだろうと思った。
どこが魔法なんだ。スプレーすると男性がウンカのごとくよってくるとか?
死海の泥って塩分濃そう。まあミネラルは豊富だろうな。
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