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カテゴリ:ヤング・マイロン
***** お知らせ *****
8月28日未明、本作の主人公を演じてくれているネコ牧場819さんの マイロ君がなくなりました。ご夫婦に看取られながら、旅立って行った との事です。前作「キジトラ三銃士」のマイロン仙人、本作のヤング・ マイロン、次作「飛翔の剣」、その他「太っちょポッポのトットさん」と 活躍してくれていました。 彼のほんのりと醸し出す雰囲気なくして、マイロンの存在はありえま せん。 これからも彼の面影を思い浮かべながら「マスP文庫」を続けて行き たいと思います。 マイロ君の冥福をお祈りします。 MasterP **************** 硬い握手はこれからの激闘を誓い合う心の絆となった。 サランの国王コータッツの三人娘の長女キョンと、サランの窮状を救うために立ち上がった反抗組織バンブーを率いるゲコクとの熱い握手が、そこに集まる多くの同志の心も熱くした。 しかし、その会合が始まる数時間前に不穏な動きがウィンラッド城にあった事を誰も知らない。 その主はゲオルグ。 それからしばらくして、城から六つの影が闇の中に飲み込まれて行った。 「君たちとこんな所で会うなんて思いもしなかったよ。」 そう言ってマイロンもまたネコ族キジトラ種のオリンとシロ猫種のヒーナと熱い握手を交わした。 「まったくだよ。しかも君たちがクロンといとこ同士だなんて、まったく驚きだよ。」 レーオも不思議な縁に驚きながら言った。 「僕たちも最初にここへ来た時、クロンからマイロンさんたちの事を聞いてびっくりしたよ。てっきりサクランさんのお父さんの病気を治すために、ジャウジャウの卵を採りに行ったものとばかり思っていたからね。」 オリンは笑いながら答えた。 「父さんが南の国で何かおかしなことが起きているようだとあなたたちに言った時、それも調べてみるとは言っていたけど、ここでこんな形で会うなんて本当に不思議よね。」 ヒーナの言葉に四人ともうなずいた。 「やあ君たち、このサランの国ために尽くしてくれて本当にすまないね。ありがとう。」 そう言って談笑する四人のもとにやってきたのは、すべてを包み込むようなやさしい笑顔を持つヒト属の男性だった。しかし、彼の頬には深い傷があり、それがこれまでの激闘を物語っていた。 「こちらは僕の命の恩人のユーダンさんだ。」 そう言ってクロンはその男性を紹介した。 「命の恩人?」 クロンは答えた。 「そう。半月前に僕がゲオルグの秘密を探すため、あいつが昔住んでいた家に忍び込もうとしたとき、何者かに襲われたんだ。その時そいつを追っ払ってくれたのがこのユーダンさんなんだ。それから僕たちの仲間になってくれたんだけど弓がとてもうまくてさ、今度教えてもらうんだ。」 「ユーダンさん、僕マイロンといいます。よろしく。」 その晩、マイロン、キョン一行はひとまず宿で休む事になり、その案内役をユーダンが申し出てくれた。 「ユーダンさん。あなたの言葉には少し東部のなまりがありますけど、あちらのご出身?」 宿への道すがら、キョンの言葉にユーダンは相変わらず穏やかに微笑みながら答えた。 「いえキョン様、父も母も東部の出身ですけど私はザモスで生まれました。でも両親の影響はあるでしょうね?」 それから月を見上げた彼はぽつりと言った。 「両親はアクダイに捕えられ行く方が分かりません。だからアクダイやゲオルグの事を調べるために、あいつらが昔いた場所を探っている時にクロンを助ける事になり、バンブーの存在を知ったのです。」 「まあ、そうなんですか?」 キョンが驚いて言葉を返した時、 「危ない!」 レーオの叫びでみんなは一瞬ひるんだ。その途端、何本かの矢が激しい音を立てて近くの民家の石壁に当たり、ばらばらと地面に落ちた。レーオの防御魔術で矢は偏向され、事なきを得たのだ。 「伏せて!」 そう言うと、ユーダンは矢が飛んできた方向に飛び出して行った。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 今回の「雑貨Explorer」はお休みします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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