|
カテゴリ:ヤング・マイロン
今夜は満月いつも以上に明るいとは言え、竹林の中は竹の葉が風に揺らめいて、その影も地面の上でもぞもぞと蠢いていた。
ネコファムに察知されたその影は切り株を回り込んでこちら側にやって来た。 「まあ、あなたは?」 月光で明るく照らされた場所までその影がやって来るとネコファムは驚きの声を上げた。 「マーメッチ!?」 「マ、マ、マーメッチ?・・・・・マーメ・・・・えっ?」 ネコファムが呼んだ名前をマイロンは思い出しながら、ネコファムとマーメッチの間で二人を交互に見上げて素っ頓狂な声を上げた。 「マーメッチさんって、あのナスコボスさんの養女の?魔術の修行の旅に出た?サクランのお父さんをヘビドクツルから助け出してくれたあのマーメッチさん?」 「えーっ?」 今度はキジトラ種のマーメッチが驚きの声を上げた。見ず知らずのヒマラヤン種のネコ族の青年がナスコボスの事のみならず、かなり前に救った事のあるイヌ族の家族の事も知っていたからだ。 「あなたはどなた?初めてお会いするけど。」 マーメッチの疑問にマイロンは今までの事をかいつまんで話した。 「あらまあそうなの?サクランちゃんもサランに?」 マーメッチは懐かしそうに言った。 マーメッチはナスコボスの養女とはいえ、それは建前で彼女の母親が昔、隣国からの侵略で戦いがあった時にそれに巻き込まれ命を落とした。当時八歳のナスコボスがコータッツ王に願い出て、残された五歳のマーメッチを自分の養女として城に住まわせたのだ。 歳が近い事もあり、マーメッチはサランの三姉妹と共に姉妹同然に育った。 そして育つうちにマーメッチにもわずかながら法力がある事が分かり、ネコファムが少し指導した事があった。マーメッチは十二歳になった時に、自分の法力を磨くために修行の旅に出たいと申し出たのだった。 そして旅立って間もなく、迷い込んだ山中でサクランの母子に出会い、ヘビドクツルに捕えられ、生きる事も死ぬ事も出来ない状態で生気を吸い続けられるサクランの父親をツルの中からどうにか開放する事に成功したのだ。 「あの時は私もまだ修行の旅に出たばかりで、あんな化け物ツルをやっつける力なんて全然ないから大変だったわ。そう?サクランちゃんがねえ?」 そう言ってマーメッチは懐かしがった。サクランはその時四つ下の八歳だった。 「ところであなたどうしてここに?」 ネコファムの問いかけにマーメッチは言った。 「サランの国の外にはなぜかサランの事が何も伝わって来ないから、こんな事になってるなんて知らなかったの。でも私も修行を重ねネコファム姉さんほどではないにしろ、自分なりに色々な魔術を身に付けたからそろそろ旅も終りにしようと戻って来たら、こんな事になっていたの。」 「そう、あのゲオルグがヘイウッドの原理魔術を使ってこの国を魔術の霧で覆って外の国から見えなくしているの。」 ネコファムの言葉にマーメッチは驚いた。 「ゲオルグってあの三流魔術師の?」 「そう。でもあいつどうやったのかヘイウッドの原理魔術を手に入れて、今じゃアクダイと手を組んでサランの国を乗っ取ってしまったの。」 「ネコファム姉さん、大体は分かったから詳しい事は行きながら聞くとして先を急ぎましょ。」 ネコファムとマイロンは思わぬ加勢を得て、城内に通ずる秘密の通路に姿を消して行った。 だが彼らはその先に死闘が待つとは思いもしなかった。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「魔法 修行」で1,248件ヒット。 もしかしてこれで魔法が使えるようになるのかな?でも『アバダケダブラ』だけは唱えては行けません!!
これは確かに言える。最近は『おもてなし』の魔法を使った魔女もいたが。
言葉は受け売りや唱えるだけでは魔法は発揮しないと思う。やはりハートがなければ。
有名な魔法使いの弟子のコスチュームだな。やっぱりミッキーにはこれが一番似合う。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ヤング・マイロン] カテゴリの最新記事
|