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カテゴリ:ヤング・マイロン
「キョン様、ネコファム様が、ネコファム様が夕刻亡くなりました。」
セブイン家のユリーチョからの使者メイによりもたらされた悲報はそこにいる者を凍らせた。 しばらく誰も一言も声を発する事が出来ず、重苦しい淀んだ空気だけが薄暗い部屋の中に充満していた。 「えっ?な、何ですって?」 キョンが放心したような声で言ったがその後の言葉を発する事は出来なかった。 「姉上、ネコファム姉さんが?」 自らも疲弊しきった体を横たえたナスコボスも悲壮なまなざしでキョンを見上げた。 長い沈黙の後、キョンのこみ上げる言葉が部屋に響いた。 「許しません、決して。アクダイもゲオルグも決して許しません。」 一同は寄り集まり、互いを抱きしめ深い悲しみを癒そうと懸命に励まし合った。 明日はナスコボスのみならず、ここにいる者たちすべての処刑の日なのだ。このまま皆処刑されてしまえば、まさにアクダイとゲオルグの思うつぼ。サランの国は永久に平和から見放されてしまうのだ。 それからキョンは何を思ったか姉妹が暮らしていた頃に使っていた棚の中に残っていた布を取り出すとナスコボスの傍に広げた。 「皆さん、ここに集まって下さい。」 キョンはそう言い、皆が集まると炭の欠片で何かを書き始めた。 ---------------------------------------------------------- 声を出さないで。 ゲオルグが魔術で聞いています。 これはマイロンと決めた合言葉です。 ネコファムは生きています。 マイロンの『癒しの湧水』で回復し、夕刻こちらに向かいました。 これからは皆さんもお芝居をしてください。 おそらくこの行動でアクダイたちは何らかの手を打ってきます。 私を信じて私に合わせてください。 一度だけの好機に賭けるのです。 ---------------------------------------------------------- キョンがそう書いた時、全員が一斉にキョンの顔を見たが、キョンはわずかに首を横に振り、いかにも説明をしている様に少し声高に言った。 「いいですか?ここがこの城の中心です。そしてここが王の居室。ここにアクダイたちはいると思います。」 キョンはたった今考えただけの作戦をみんなに説明して行った。 ジャウカンに乗せてもらいネコファムとマイロンはウィンラッド城の西、反抗組織バンブーがその名に選んだ竹林に降り立った。 「ジャウカンさん、いつもありがとう。では後の手筈の方もよろしく。」 「なーにこれしき大した事はないよ。俺にできる事なら何でもやるさ。後の事も任せておきな。」 マイロンにこう答えるとジャウカンは、彼の巣のあるトンガリ山に戻って行った。 「マイロン、あなたのおかげで命拾いしたわ。ううんそれ以上。もうなんか力が有り余って前よりももっと元気になったみたい。」 ネコファムが言うとマイロンはぺろっと舌を出して言った。 「えへへへ。実はキョン先生に教わった『癒しの湧水』に僕がさらに考えた薬を混ぜたんだ。そんなに効くならキョン先生にも教えてあげようかな。」 「えっ?あなた一体何を混ぜたの?」 「あっ、今はそれを聞かないで。」 そう言ってマイロンは黙りこくってしまった。 「気になるけどまあいいわ、こんなに元気なんだから。それはそうとここでボヤボヤしてはいられないわね、マイロン先を急ぎましょ?」 ネコファムはそう言い、竹林の裏手にある小高い丘を目指して歩き始めた。 そこにも城内に通ずる別の通路が隠されていた。 その時。 「誰?そこにいるのは?」 ネコファムの鋭い声にマイロンが飛びあがった。 「そこに隠れているのは分かっています。出て来なさい。」 しばらくすると、ネコファムが見つめる朽ちた切り株の向こうに黒い影がうごめいた。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「命拾い」で203件ヒット。 「白血病で瀕死のワイヤーフォックス・テリアが命拾いして白血球数も正常化 ほか」 ホントかな?なら人間にも効くはず。
明らかにこの人は笑点で命拾いしている。
犬もサイボーグになって命拾いしたわけね?
人気海外ドラマ。これは十分命拾いありうる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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