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カテゴリ:ヤング・マイロン
キョンは閉じ込められた部屋の上部にわずかに設けられた小さな窓を見上げ先ほどから何やらぶつぶつ呟いていた。
周りの者たちは何がなんだか分からずポカンと見守るしかなかった。 しかし、ゲオルグに魔術で聞き耳を立てられているため相変わらず彼らが目指す作戦とはまったく異なる作戦を口にして、誤魔化すのに懸命だった。 キョンの視線の先にある壁と天井の隙間にある小さな窓では、先ほどからバンブーの連絡係セキセインコのミズキーの妹ハーナが羽を立てたり、振ったり、閉じてまた開いたり、跳ねて回ってうなずいて、まるで踊っているようなしぐさをしていた。 これはキョンがコータッツ家に伝わる手話に似た伝達方法を教えたためだった。彼女は幼い時から有事の際の様々な非常手段や城の秘密の抜け穴などを学んで育った。 そして今こそそれが生かされる時がやって来たのだ。 キョンはニコリとほほ笑むと両手の親指を重ね、鳥が羽ばたくようなし草をした。 ハーナはこの了解の合図を確認するとコクリと頷き窓から飛び去って行った。 キョンは先ほどから仲間が勝手に立てた架空の作戦を話し合っているのに合わせて即興で自分の作戦をでっちあげ、付け加えながら言った。 「クロン?あなたはアクダイたちが私たちを処刑場に引き立てる時には私たちの真中にいるのよ。そして処刑場への通路の唯一の死角になる戦士の像の傍を通る時に素早く台座の中に飛び込むの、いいわね?私が通る時にこっそり入口を開いておきます。」 クロンはキョンの即興に訳が分からないながらもうまく合わせた。 「キョン様分かりました。まかせて下さい。」 キョンはそれから身振りで全員を呼び寄せて、いつものように布の上に炭のペンで筆談を始めた。 ―――――――――― ハーナからの知らせです。 コータッツ王には私たちの真の作戦を伝えました。 今はシモン将軍も一緒にいるようです。 ―――――――――― こう書いた時、ナスコボスの眼に安堵の光がさした。 「ゲコクさんたちは、アクダイの待ち伏せをうまくやり過ごし森の中に身を隠しました。」 キョンは口に出して言った。 しかしこれはキョンだけが知る事実を仲間にさえも秘密にするために勝手に彼女が付け加えた情報だったが、実際に彼女がハーナから聞いた知らせは、ゲコクたちが絶壁を登頂して南側城壁の下に無事に到着したというものだった。 ―――――――――― ジャウカンさんからの伝言で、ネコファムとマイロンは無事に城下の竹林に送り届けたとの事です。 彼らはここから侵入します。 ―――――――――― 全員に喜びの表情が広がった。 「キョン先生、マイロンはネコファムさんを救えなかったことに傷ついているでしょうね?」 ゲオルグに聞こえる様にレーオは親友のマイロンを気遣う振りをしてポツリと言った。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「ゴルゴ13 パロディ」で1件ヒット。 ハーナはなすこの親分さんの家のセキセインコみずきちゃんの妹のはなちゃんが演じてくれました。まだ小さいのに上手にできましたね。 ハーナってガスコンロの火の吹き出し口の金具を言うそう。知らなかった。
どこにヒットしたかわかりますか? 「ロスバッハー ナチュラルミネラルウォーター」 合わせ技ってとこで.....
こっちもちょっと反則気味。
もしかして「セーハなし」に?ちなみにセーハとはギターのコードでFなどを抑える際に、すべての弦を人差し指で抑える事をいいます。
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