随筆・あっそう!里見発見伝
八犬伝じゃない里見の歴史、みんなはどこまで知ってるかな? さあ、一緒に追いかけてみましょう。 時は戦国ただなかへ、いざ、出陣。 講演会随想 今更ながら回顧録。 もう、2年もむかしのお話です。 2009年春、この春に再編集してこのblogで紹介していた「春の國」が丁度連載終了し、南房総市の挿絵担当された山鹿公珠氏のギャラリーで講演会を開催しました。房州日日新聞社主催という、なんとも煌びやかな肩書きを頂戴して、当時はすっかり恐縮しきりの無様を晒したものです。 正直なところ、挿絵に負けていましたからね、夢酔の文章。 読者からのお手紙がときどき新聞社に届くのですよ。「素晴らしい挿絵に、世界観が拡がります」とか、これは挿絵画家へのお手紙だなと涙ぐんだり……。 正直なところ、講演会なんて風呂敷を広げて、誰も来なかったら寂しいなぁとマイナス思考も働いたりする訳です。そう考えるとキリがないので、〈さくら〉をと考え、親孝行旅行のつもりで両親をそこに据えたりとか……(泣)。まあ、いろいろ姑息なことを考えたもんです。そのくせレジュメなんて、しっかり拵えたりして、やる気あるんだかないんだかなぁ、みたいなスタンスで臨みました。 結果的には、30名ほどのお客さまがおいでになって、安堵しきり。 ギャラリーは大きなホールではないから、30名程度は、人数的にはベストだったのです。意地悪な質問もなく、自称“子孫”的な思い込みの厳しい方もなく、終始、穏やかに質疑も交わされて、いやいや、ホントによかった。結果オーライ! この講演会には、里見について研究されている方が幾人かおりました。たぶん、皆さんは、知ってて質問して、満足のいく想定内の質問を引き出していたのかも知れません。ピントのズレている回答もあったりで、ご不満の点もございましたことでしょう。 この講演会をやりながら、その場で背筋に冷たい汗を垂れ流しつつ、思ったこと。「付け焼刃って、しんどいなぁ」 この講演会の半年くらい前にも、同時期に新聞連載していた「聖女の道標」に絡んだ挨拶をやったことがあります。まあ、これは、舞台「萩原タケ物語」の前座だったのですが、最初20分と聞いていた講演が、当日5分前になって「時間が押しているので、10分で」とイベンターから云われてパニクリしたくらいで、ようはそれくらい講演会に対して脆弱だったかなと、反省を覚えた次第です。 里見について、殊、この「春の國」については、エイヤという勢いでやっちゃった部分が多いんです。付け焼刃という表現以外、形容する言葉がみつかりません。 里見について少しでも勉強しなくては……。 連載も終わり、その記念講演している場で、夢酔は遅ればせな決心をしたのでした。遅きに過ぎると思いつつ、その決心が、のちのち生きてくるのですから、世の中とは、面白い。 当日、御祝儀舞を披露してくだされたのが、このblogでも時折り登場する、里見流家元の里見香華先生。房州日日新聞の記者さんからよく御尊名は伺っておりましたが、このときが初対面でした。「ねえ、義弘のあとを、ぜひ書いてくださいよ」 たぶん社交辞令なやりとりはしたと思うのですが、この申し出がいきなり直球で突き刺さりました。初対面から里見先生は熱かった。「義弘のあとの義頼・義康・忠義の三代を誰も書いてくれないの。杉本(苑子)さんにお願いしたら、事跡が不明瞭で調べるだけで大変だからと断られたの。わたし、ぜひ大河ドラマにいいと思ってジェームス(三木)さんにお願いしたらやはり同じようなこと言われて、原作欲しいって。だから、書いてみない?」 この直球を受け止められる実力が、当時はございませんでした。今も、充分、怪しいですが……(苦笑)。 おかげさまで、このとき以来、里見先生には色々とお世話になっております。先生は時折り、我があきる野市へ、日舞の御祝儀舞に来られます。ご迷惑と知りつつも、楽屋にご挨拶に伺ったり、図々しくも楽屋弁当を分けてもらったり……(汗)。 ほんの5月に草稿をUPしたばかり新作は、苦節1年3ヶ月の、〈義頼・義康・忠義の三代〉を描いたものです。二年前よりも成長できたかな、夢酔。里見先生のお手元に渡った原稿は、房総里見会を経て、館山市立博物館の岡田先生の校注を賜り、先月、複写版が手元に戻って参りました。この校注をもとに、地道に校正作業も始まっております。 房総里見会のご感想は、まだ承っておりません。 お伺いしたいと常々考えております……ドキドキですが(笑)。 東日本大震災の影響で、房州もちょっと心配したりします。 余震とか、津波とか……まあ、海の土地ですからね、ついつい余計なお世話を考えたりしてしまいます。平穏がいちばんですね。 10月1・2日は南総里見まつりです。 夢酔もぜひ、今年は伺いたいと考えております。皆さんとお会いできたら、いいですね。 このお祭りは、恥ずかしながら一度も足を運んだことがございません。 ゆえに、心より楽しみにしております。 ◆ ◆ ◆ 戦国武将里見氏のNHK大河ドラマ放映を目指す「里見氏大河ドラマ実行委員会」が組織されています。里見氏終焉の地である鳥取県倉吉市、里見氏発祥の地の群馬県高崎市、そして館山市で、NHK側にドラマ化を働きかける運動を行っております。「2014年に里見氏の物語をNHK大河ドラマで!」 皆さまの温かいご声援をお願いします。にほんブログ村