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テーマ:今夜のばんごはん(49815)
カテゴリ:日々是食欲
病欠以外での久々の有給は、朝からのんびり起きて、午前中に鍼でも行ってリラックスすっかな(笑)と思ったけど、外の温度がわからないのでびびっているうちにお昼。久々にゆっくりドリップコーヒー淹れて飲んで、さて、お風呂に入ろう(小原庄助気取り)と用意していたら、職場からヘルプのメール。あああ~「明日は夕方まで家にいる」なんていうんじゃなかったよ……(涙)。
結局、お風呂で漫画雑誌一冊読んだきりで、3~5時まで特急であがってきた依頼稿の原稿整理をしていた。バカヤロー私の休みを無にしやがって! まあ、約束は6時半だからと、あわてず急がすやっぱり外は暑いので、マンション出て数十歩で手が上がりタクシーが停まる。 錦糸町の駅ビルでヨドバシ→本屋→ユニクロとはしごして、結局買ったのは充電池切れの子機の電池とBL5冊のみ。もうすべての物欲はBLでしかないのか>自分? 病名がはっきりしたら大分症状が落ち着いて、久しぶりに食欲でてきたら、猛烈に食べたくなったのがサムゲタン。昔から家族経営のエスニック料理屋の多い錦糸町界隈でも、「ここのは安くておいしい」とおすすめされた店へ向かう。おおおっこの界隈は、ロシア人の街娼がよく立っているキケン地帯。我々の目の前にも、身長180オーバー、プラチナブロンドの美女が、がつがつとアスファルトに穴を空けそうな勢いで闊歩しながら、携帯でお客さんに電話している。や、ロシアンパブのキャバ嬢かもしれないけど。もしもし、あなたの祖先はロシア貴族ではありませんか? やっと探し当てた店は、飲食店の集まった古い雑居ビルの一階。家族経営。店内に日本語表示なし。ハングルは表音文字だから、読めるようにはすぐなるんだけど、なにしろ意味がさっぱりだ。この国は、いつから漢字を捨てたのだろう? いやこの界隈も十分漢字を捨てている。すぐ近くに日本語の通じなさそうな韓国マーケット、その隣でハングルでなにやら怪しげな交渉をしているスーツの紳士とアロハのにいちゃん。怖いよ。怖すぎるよ。男の子誘うんだった(涙)。どうも浪速弁と韓国語は喧嘩しているように聞こえてしまう(偏見)。 基本的に文明国で英語通じるところ以外ではチキンになる自分は、友人を誘った手前、とりあえずすべてジェスチャーで済ます。「二人? 奥? アイテルヨー」と、まだ客もまばらな座敷へ陣取る。メニューは写真・日本語付きでホッとする。 検討した結果、サムゲタン(1羽より。二つに分けてもらう)、海鮮チヂミ、サンチュサラダ、冷奴チゲをオーダー。そして生ビールで乾杯! おおっ出てくる出てくる、韓国料理屋独特のサービス品。ナムルやらキムチやら黒豆、茎ワカメなど全10品。これだけで酒のアテには十分なんですけど。 そして待つこと20分、主役登場! うううっ・・・うまいよサムゲタン! 涙でちゃうよ。 丸鶏のお腹に詰めたもち米、ニンニク、ショウガ、ナツメ、松の実、チョウセン人参etc・・・。あつあつの白湯スープにすべてが溶け込んで、もう体に沁みる沁みる。 スープを大事そうにすすっていると、店のおねえさんが「コノニホンジン、サムゲタンノタベカタシラナイネ」とばかりに、無言でスプーンを取り上げ、ぐちゃぐちゃにかき混ぜはじめる。 あああ~あの、わかってるから。知っているから。うんうん、そうするんだよね(汗)。でもまずスープを味あわせてよ! ゆっくり食べたいの~と心で願うが、鶏肉のお腹からとろとろのもち米が飛び出し、チキンは見事に繊維化し、あっという間におかゆになる。あああ~。無論このほうがおいしいのはわかっているんだけどさ、韓国料理、見た目が汚いのよ(涙)。そこまで必死に混ぜなくていいから~おねえさん! 食べているうちに、お腹がかーっと熱くなる。さっそく高麗人参の効果? ハフハフうまうま。鶏肉は歯がなくても舌でほろほろと崩れるほどで、普通数時間煮込むところを圧力鍋を使っているのかも。味付けはうすい塩味なんだけど、もう胡椒もキムチも不要。 海鮮チヂミも本格的でみっちり。冷奴チゲは、白菜キムチと豚バラをしっかり炒めて数日寝かせたような甘みのある味付けの辛味を、ゴマとごま油をかけた冷奴と共にいただく。これまた美味!どうもこのチゲ(ではないけど)には、チャンジャみたいな塩辛が混じっている模様。こういう複雑さがミラクル。チョングム万歳! だめだ、お腹が苦しい……サムゲタンの中身をあらかた食べつくして、ふうーと壁に背中をついたところで、はっ、ほらまた写メ撮るの忘れた! もおお~いつもこれだ。仕方がないので、きちゃなくなったサムゲタンの残骸と食べきれないチヂミと冷奴チゲをパシャッ。お店の名誉のためにいうが、見た目が悪いが味はよい。ぶっきらぼうだがおねえさんは親切だぞ。 「モウオワリ? イッパイ?」 食べたいけど、入りません~という顔をすると「シカタナイネ、ニホンジンイツモムダスルヨクナイヨ」(だったら最初に止めてよ~)という顔をしながらも、チヂミと冷奴チゲのチゲ部分だけ、きっちりお持ち帰りにしてくれた。この当たりが合理的で親切で怖いけど好きだ。帰って開けてみたら、チヂミ用のタレも別添えにしてくれて、感謝。 すこしくつろいだあと、薬を飲もうとお水を頼んだら、アイス菊花茶がクーラーポットで出てくる。う、うれしいよ、おねえさん。そして私が薬を取り出すと、「クスリ? オチャダメヨ、コオリダメヨ」と言い残して、あわてて水ももってくる。おねえさん、笑顔ないけどよく見てるね。ちょっと韓国人好きになったかも。 中生ビールを2杯ずつのんで、以上トータルお持ち帰りつきで、二人で1万円!うっそーっ!! そして当然カードは使えないのだった。 京都あたりだと、夏バテ解消に1人3万ぐらい出してスッポン食べに行ったりするんだろうけど、こりゃあよいわ。くつろげるサービスとか内装とかとは無縁の大衆料理店のくせに、これだけのサムゲタン出して、食べ方も教えてもらって(知ってたけど)元気もらえた。久々に食欲萌えした夜だった。 帰りがけ、奥からオモニがでてきて、片言の日本語で、「チヂミネ、コウ、ゴマアブラヌッテ、ヤク。オイシイヨ」うんうん。わかったよ、おかあさん。明日いただいくね。ごちそうさま。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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