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貿易ゲームとは地球市民教育で使われている有名なゲームです。1982年に、イギリスの代表的な開発NGOの1つクリスチャン・エイドによって作られ、開発教育の代表的教材として、イギリスはもちろんのこと、欧米各国で知られるようになりました。1985年に(財)神奈川県国際交流協会によって日本語版が制作され、全国の学校やNGO関係者の学習会など、いろいろな場面で活用されてきました。
私の看板講座の一つにもなってまして、今週も公民館で指導してきます。科学実験に比べて、圧倒的に経費がかからないし、後始末は簡単だし、予算の無い子ども会には、ついついおすすめしてしまいます。 グループで作った、何カ国かが、独自の判断で、生産・販売をしながら、国を富ましていくゲームです。 コピー用紙を資源とみたて、鉛筆や定規、コンパス、分度器を技術と見立てて、「生産」をします。 しかし、現実の世界と同じように、資源や技術の偏りが最初から設定され、不公平の世界から出発するのがポイントです。 何も施策を施されなかったり、智慧を働かせないと、富める国はますます富み、貧しい国は、ゲームを続ける気力も失せる状態になります。そして、その気持ちを実感するのも、一つの目的なのです。 本来の目的は、地球市民として世界全体のことを考えましょうという趣旨であり、大国の横暴を考えさせることが含まれています。確かにそれは必要で大切なのですが、私は子どもたちと何度かしているうちに、別の目的に使うことが有意義だと感じて、手を加えています。 それは、友達とのコミュニケーション力であり、交渉力です。もともとこのゲームの成績をあげるには、他国と積極的に貿易を繰り返した方が良いのですが、現代の子どもたちは、悲しいくらいに、自分の世界から抜け出られません。 そこで、最初から、他国と協力しなければ目的を達成できない、と明らかにわかる仕掛けを組み込むことにしました。多くの国と手を結べば結ぶほど有利になる、と。 そうやって、初めて子どもたちは動きだします。そして、利害関係にしろ、相手への感謝の気持ちでにしろ、結びつきが深まることによって生まれる新たな価値に、驚きと喜びを感じて、さらに活動が活発化していく、という好循環が生まれます。 実は、このゲームはバリエーションをいくらでも増やすことができ、しかも、主催者の意図した「教訓」を組み込める、大人にとって、とってもズルイ・イヤラシイ(^_^)ゲームです。しかも、それを子どもたちは、いかにも自分たちで気づいたと思って、気持ちよく自分の教訓として持ち帰ることができるのです、 すごいマインド・コントロールゲームです。 あるADHDの子が、ある国の大統領になったのですが、貧しい国なのに、自分の国の資源を、最初から惜しげもなく、配り始めたのです。まるで、お歳暮配りのように。頭を低くして。 そして、各国の好意を得て、いち早く最貧国グループから脱出していきました。 この成功体験は、彼の人生に少なからず影響を与えただろうと思うと、うれしくもあり、恐ろしくもあります。 とにかく、このゲームはみんなで研究の余地がいっぱいあると思います。 もちろん、世界経済の事を教える格好の手段であることは間違いありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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