カテゴリ:世界がワクワク・ドキドキになる魔法
子どもたちに好奇心をもたせる方法を見つけたくて、 多くの親や教師は、苦労しているわけですが、 逆から見て、好奇心を奪い取る方法は、簡単にわかりますね。
それは、「押しつけ」、「強制」です。 どんなに楽しいことでも、 それをしなければいけない! うまくできなければ、たいへんなことになりますよ! あなたの価値が無くなりますよ! あなたは、愛されなくなりますよ!
と言われれば、一気にやる気や、好奇心は消えてなくなります。 生理的に、そんなことには、触れたくなくなります。
たとえば、趣味が将棋の人でも、 将棋がいかに、意義あるものかを、じゃんじゃん説教され、 将棋が強くならなければ、人生がダメになる、 誰からも相手にされなくなる 勝つことを、一族郎党、みんな期待している、 親を泣かせないでくれ、 と深刻な顔を言われたら、 将棋の楽しみなんて、吹っ飛んでしまいます。
寅さんの人生で2番目に大切な、ケーキを食べることでさえ、 もし、ケーキを食べ続けることに、 「人類の未来がかかってりるんだ」 「人類の期待を一身に背負っているんだ」 と言われたら、 そりゃ、食べるのは、うれしいですが、 本当の喜びは、失せてしまいます。 ワクワクする好奇心がすっ飛んでしまいます。
これは、泥棒以上に、ひどい話ではないでしょうか?
私は、中学時代、無敗のバスケットチームに所属していましたが、 勝つことばかりが、強調され、 それに意義のすべてがあったので、 一度もバスケットそのものを楽しむことができませんでした。
あ、バスケットって、こんなに楽しいものだったんだ、 って気づいたのは、敗れて、引退した後でした。 それも、相当時間が経ってから。
負けた当初は、ボールを見るのもイヤでした。 何のためにやってきたのか、わからなくなったからです。 だって、優勝できなかったら、価値がないとたたき込まれてきたのですから。 私の中学時代は、無意味に終わってしまったのです。
これと同じことを、世の大人は、 子どもたちに、勉強の意義を説くことで 学問の楽しさを奪っているのではないでしょうか?
好奇心を奪うには、 それに「意義」をいっぱい乗っければいいのです。 いかに重要なことか、と。 これが、大切で、必要で、 逆に、それが達成できなければ、 君はダメになる、不幸が待っている と親切に教えてやればいいのです。
子どもたちは、頭では、 「わかった」「がんばります」 と言うでしょう。
しかし、体がついていきません。 どうしても、机に向かっても、本を開けなくなるのです。
なぜでしょう? それは、子どもの体は、いや、子どもの魂は、(大人もですが) そんな、ちっぽけな意義よりも、もっともっと圧倒的に偉大なものだと わかっているからです。 その意義に染まるということは、 自分を小さな牢獄に閉じこめることと同じだと 心の奥底で、わかっているからです。
本当に逆説ですが、 私はこう考えます。 たとえば子どもに、科学に興味を持たせるには、 科学の意義を前面に出さないこと。 これをやると、理科の点数が良くなるとか 入試に有利だとか 就職や給与に跳ね返るだとか、 尊敬を集めるだとか 人類が救われるだとか そんな話をしないことです。
実際、科学ってものの本質は、イタズラに過ぎないのです。 だれからも、期待されるのでも、人類を救うものでもない。 強制されるものでは、サラサラない。 日本の産業を強化するためのものでも、さらにありません。
もちろん、結果として、そういうことはあるでしょう。 しかし、それを考えた途端に、科学的好奇心の生命の炎は消えてしまうのです。
どうやって教えれば、何を覚えさせればいいのか、って ノウハウの問題でも、 突き詰めれば、全然無いのです。 何も教えなくても、好奇心は湧かせられるのです。 では、好奇心の本質とは何でしょう。 それは…(続きます)
ところで、明日、寅さんがお世話になっている 大崎市の穂波の郷クリニックの三浦ドクターの講演会が 古川中学校で開かれます。 知る人ぞ知る、真正面から本来の医療の姿に取り組んでおられる 本当にバカ正直とも、ドンキホーテとも言える素晴らしい先生です。 先生が見てこられた子どもたちの事例が語られます。 また、特別ゲストとして、 ご自身が重病で、明日をも知れぬ身ながら、 中学生に関わり続けられ、 子どもたちに明るさを取り戻させてくださった 患者さんが、それこそ、命をかけたメッセージを 筆談でしてくださいます。 PTAの関係者以外の方でも、 ご希望の方は、事前にご連絡くだされば歓迎です。
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